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【例】〈魔導連盟〉


Scene 01

GM では、キャンペーン第4話を始めます。
一同 はーい。
GM さて、前回君たちはブラッドティアー島の"竜殺しのレオリック"を倒し、海賊ばる☆ばろっさを捕まえ20,000Gをゲットしました。
フィール いやー、よく倒したなー、あれ……
アズール 全くだな。1ターン目にクロウが[気絶]しかけたときは本気で全滅を覚悟したよ。
GM ええ。正直、俺は〈壊血種〉からは逃げると思ってました(笑)。
フィール いやほんとなんで殴りに行ったんだろうなあ、俺……そんなキャラじゃなかったはずなのに。
アズール だよなあ。
GM 勝ったからよかったじゃないか(笑)。そのおかげで、君のことを思いっきり軽蔑していた妹のブレアも、君のことを見なおしたわけだし。
クロウ 滅茶苦茶嫌われてたものね。
フィール う、うむ(笑)。
GM そして、君たちは前回得た経験点により、とうとう[世界干渉LV]が6LVとなりました。
クロウ またひとつ強くなったわ。
GM もう立派な英雄候補ですねー。
パール あたしの野望にまたひとつ近づいたよ!
フィール お前の野望は実現しないほうが世のためなんじゃないか(笑)。


 本来ならここで全員の成長申告を書かなければならないのですが……不覚にもキャラクターシートを紛失してしまい、データがわからずじまいです。
 とほほ……。


GM ともあれ、君たちは無事トレンテの港へ到着したわけです。トレンテは神聖王国で二番目に大きい都市ですね。
パール やっと着いたよ〜。
GM 今回の君たちの冒険はここから始まるわけですが……最初に、言っておくことがあります。
フィール うん?
GM 今回のシナリオですが。実は、非常に難易度が高いです。
アズール い、嫌な予感しかしねえ(苦笑)。
GM そこでですね。今回は通常のシナリオ経験点に加えて、500点の経験点ボーナスを設定しています。
フィール シナリオ難易度が高い代わりに報酬も高いというわけか。
GM もうひとつ。通常、4人パーティで得られる[竜魂]の上限は4なんですが。今回のシナリオでは特別に[竜魂]を6個まで保持できることとします。
一同 …………。
GM どうだね。嬉しいだろう?
クロウ …………ええと。物凄い嫌な予感しかしないんですけど(一同笑)。
フィール なぜだろう。物凄い報酬が高くて嬉しいはずなのに、プレイヤーの顔には絶望感しか浮かんでこない(笑)。
アズール と、とりあえず「早馬」を買い込むか?
GM あ、今回リミット進行はありませんよ。
フィール ふむ。それはありがたいが……
GM (満面の笑みで)ええ。ですから、いつもよりじっくりとシナリオをお楽しみください?
一同 嫌な予感しかしねぇっ!?(笑)
パール じ、GMから物凄いやる気を感じる!?
GM というわけでシナリオ開始です。ちなみに今回はマスターシーンがあったりするのだ。
フィール やる気満々じゃねえかっ!?(一同笑)
アズール "殺る気"でないことを祈ろうじゃないか(苦笑)。


GM 話は少しさかのぼりまして。アズールたちが出港したその日の夜。ルクレツァは、パルメラの自宅で海を眺めつつ、息子とその仲間たちの無事を祈っていた――そんなシーンです。
フィール ほう。
GM 弱々しい星の明かりと波の音が彼女を包み込んでいる――と。静かな音を立てて、背後の扉が開く。
アズール なんか来たっ!(笑)
GM するとルクレツァは、侵入してきた何者かに振り返り。「そろそろ来る頃だと思っていたわ……」と、傍らの武器に手を伸ばしたところでシーンが終了します。
フィール し、死にフラグすぎるっ!?(一同笑)
アズール ル、ルクレツァーっ!?


Scene 02

GM さて、シーン変わりまして君たちがトレンテに着いたシーンです。まずは、海賊ウルージとハイレディンが〈神聖教会〉の神官たちに連行されていきます。「おら、キリキリ歩け!」「こ、この恨み覚えてなさいよーっ!?」「次に会ったら覚えてなさいっ!」
フィール 次があるわけないだろ、阿呆。
アズール 海賊は縛り首だからな(笑)。
GM ウルージたちはこの周辺では有名な海賊だったので、それを見た住人たちが、ざわざわと噂話を始めています。「あれは海賊バルバロッサか?」「あの極悪非道の海賊を、いったい誰が捉えたというんだ?」
フィール ……またレディ・クロウの伝説に新たな1ページが(笑)。
GM ウルージたちが連行されたあと、ブレアが住民たちにこう告げます。「近海の悪鬼、バルバロッサ海賊団を捕らえたのは、アズール・フィール・クロウ・パールの4人の名高き〈竜脈使い〉たちだ。彼らはあの"ブラッドティアーの竜殺し"を倒し、あの海域を覆う〈魔海〉を解放した勇者でもある。彼らがここに更なる名誉をたてたことを、この聖堂騎士ブレアが宣言しよう!」
一同 おおぉ!?
GM それを聞いた住民たちは、一斉に目を輝かせます。「なに!? 海賊だけでなくあの竜殺しを!?」「彼らは本物の英雄だ!」 住民たちは口々に話し合い、それはすぐに君たちを称える歓声に変わっていきます。
アズール な、なんだこの扱いの良さは(笑)。
フィール ……むうう。久しくなかった体験だな。悪くない気分だ(笑)。
GM ――というわけで。皆さんの[知名度]を2下げてください(笑)。
一同 げげっ!?
パール わーい、有名人だ♪
クロウ 私、2も下げたら知名度4よ?
GM いやー、超有名人ですね(笑)。
アズール 俺も6まで下る……って、俺は有名になったらまずいんじゃないのか!
フィール 俺はまだ"新鋭"どまりだからいいが……有名になってもあんまりいいことないぞ、このゲーム。なんせ敵に自分たちのデータが駄々漏れになるって意味だからな(笑)。
GM (いい笑顔で)ひゃっほうNPC超有利!
アズール い、陰謀だっ!?(笑)
GM まあでも、その程度の功績はあげちゃってますからねえ。なんせ近隣を荒らしまわる海賊と、伝説の〈壊血種〉を倒したんですから。
フィール ううむ、確かにそうなんだよなあ……。
GM クロウの名前は三國に鳴り響いてますね(笑)。
フィール そろそろクロウの偽物が出始める時期だな(笑)。
GM そんな感じで、微妙な表情をする君たちの隣で、ブレアがドヤ顔で宣伝しているわけです(一同笑)。
フィール 頼むからその辺にしておいてくれ妹よ……(笑)。
GM 「なに言ってるの。兄さんは英雄なんだから、胸を張らないと!」
フィール 「い、いやほら。俺らが目立つと護衛対象のコーネリアまで目立ってしまうだろう」
GM 「もうここは神聖王国なのよ? ここには聖堂騎士が1000人もいるのよ。コーネリア様はすぐに騎士たちが護衛するから大丈夫」
フィール そ、そうか……。
GM 「だからほら! 胸を張って。兄さんは天才なんだから!」 と、ブレアはかつて〈竜脈使い〉になった頃の君を見ていた目で、君を見るわけだ。
フィール そ、その瞳が眩しいっ!?(一同笑)
GM とまあ、歓声をあげる住民たちにひととおり手を振ったりして応えた後、君たちは聖堂騎士団の護衛のもと、〈神聖教会〉トレンテ支部へ向かって移動を開始します。
アズール ふう、やっと歓声から解放される……。
フィール つ、疲れた……。
クロウ そう? 私はいつものことだから気にならないけど。
パール パールちゃんも、全力で手を振ってたよ!
フィール お前らはそうだろうよ(笑)。
GM 「ところで兄さん。兄さんたちはまだ旅を続けるの?」
フィール そうだな……俺の旅の目的自体はもう終わったんだが。俺が世話になった連中の旅は、終わってないからな。
アズール 俺は、〈天秤の枢機卿〉に会わねばならない。
クロウ 私も、フェルに勝つためにこの国にいる師匠に会わないと……。
GM そうですね。二人には明確な目的があるはずです。パールちゃんは……。
パール あたしはほら。クロウお姉ちゃんと元カレの仲を取り持たないといけないから。
クロウ その設定、まだそのままなのっ!?(笑)
GM 「そうか……そうね。まだ旅は終わりじゃないのね……」
フィール 「むしろ、これからが本番って感じだな」
GM 「そう……でも兄さん。旅が終わったら、その時はどうするの?」
フィール 「旅の終わりか。そういえば、考えたこともないな」
GM 「…………私は、ずっとこの街にいるから。旅が終わったら、帰ってきてよ。別に、どこかに家を持ってるわけじゃないんでしょ?」
フィール 「そうか……そう、だな」
アズール そこに沈んでるタイラントシップもお前のことを待ってるぞ(笑)。
フィール そういやそうだった!(笑)
GM 「いままで父さんのお墓は建てなかったけど……兄さんが敵を討ってくれて、父さんが天に還ったというのなら、この街にお墓を建てるわ」
フィール 「そうだな。もし無事に生きて旅を終われたら……その時は、ここに帰ってこよう」
GM 「わかった。待ってるわ、兄さん」 
フィール 「帰る……か。もう何年も、そんなこと考えたこともなかったな……」
GM さて。フィールとブレアがそんな会話をしているとですね。君たちを護衛していた聖堂騎士の行列が、急に止まります。
フィール うん?
GM 前方を見ると、前から白金の甲冑に身を包んだ、別の聖堂騎士が歩いてきます。
アズール ふむ。お偉いさんか?
GM 先頭を歩くのは威厳を漂わせた男で、ブレアはその男を見るや否や、「これは、バスティアン総長!」と即座に騎士の礼をとります。
フィール ふむ? この国の〈神聖教会〉は、勢力が2つあるんだっけ?
GM そうですね。過激派である〈剣の枢機卿〉レンドールと、穏健派の〈天秤の枢機卿〉マルクスです。聖堂騎士団は、基本的に〈剣の枢機卿〉に属する勢力です。当然、ブレアもその中に含まれます。
フィール ふむふむ。
GM バスティアンと呼ばれた男は、ブレアや君たちを見ると柔和な笑みを浮かべ、「これはこれはブレア副長。任務ご苦労様です」と優しげな声をかける。「そちらの方は、先程報告にあった〈竜脈使い〉の方々ですかな?」
フィール では、一応礼にそった挨拶を……。
パール 「そうでーす! マジカル☆パールちゃんでーっすっ!」
フィール お前は空気を読めっ!?(笑)
GM (笑顔で)「そうですか。あなたがマジカル☆スーパー美少女戦士パールちゃんですか」
フィール 通じるのっ!?(一同笑)
GM 「あなた方の活躍は我々のもとにも届いております」
パール ちょっと名前が長くなってる気がするけど、うんだいたい合ってる(笑)。
GM 「私の名前はバスティアン。第十三聖堂騎士団の総長を務めているものです」
フィール 結構な偉いさんだな。
GM そうですね。……ところで、彼の挨拶を聞いた辺あたりで気がつくのですが。
クロウ なにかしら?
GM バスティアンと名乗った男の後ろには、例によって聖堂騎士団がズラっといるわけなんですが。彼らはそれぞれ鎖を手に持っており……その鎖の先には、傷だらけのペリーテの少女や少年たちがつながれている。
クロウ (不快な表情で)なに、それ……?
アズール 〈魔境〉討伐でもしてきた後、か?
GM ブレアが「あ、あのバスティアン様。その者たちは……?」と訊くと、「おお、これは失礼。我々も任務の途中でした。彼女たちは〈神聖教会〉に仇成す罪深き者たちです」
フィール …………むう。
GM バスティアンがそういうと、鎖につながれた少女が「嘘をつくな! お前たちは私たちの部族を騙して――」「黙っていろこの罪人!」 ごすぅっ!! 「きゃああ!?」
一同 お約束だっ!?
GM 叫んだ少女は、聖堂騎士の一人に殴られておとなしくなりますね。「いや失礼。部下がお見苦しいところを――――ところで、いま何か聞きましたかな?」(一同笑)
アズール 真っ黒じゃねえか、こいつ!
フィール 「いえ、私はなにも」 とりあえず聞かなかったことにしておこう……状況もわからんし、ヘタにつっかかってもブレアの立場を悪くするだけだしな。
GM 「それは結構。では、我々はこれで」そういうと、バスティアンは聖堂騎士と傷だらけの少女たちを連れて、去っていきます。
フィール 「……ブレア。今のは?」
GM 「あの方は……第十三聖堂騎士団……通称〈無紋聖堂騎士団〉の総長です」
フィール グロムハイトの同門、か。
GM 有名な人物なので、君たちも噂くらいは知っています。高い実力を持つ魔法士で、〈剣の枢機卿〉レンドールの秘密部隊でもあります。ちなみにグロムハイトは第十三聖堂騎士団の副長で、バスティアンの部下にあたります。
パール あのおっちゃんの上司かー。
フィール ふん。どうりでろくでもない人間なはずだ。
GM 「バスティアン様は、いまは聖遺物の探索の任務で、この国にはおられないと聞いていたのに……」
アズール 聖遺物、ねえ……。
GM そこまで言うと、ブレアは周りに聞こえない小声で、君たちに忠告をします。「皆さん、あの〈無紋騎士団〉にだけは目をつけられないでください。私は身内ですが……あの〈無紋騎士団〉だけは別次元で、非常にやっかいな存在です」
フィール ふん……確かに、あまり関わりあいにはなりたくない連中だったな。
GM 「彼らは信仰心が篤い……というより、教会に対する忠誠心が病的に高いのです。教会の利益のためならば、教会の教義すらも平気で破る、そういう人間の集まりなんです」
アズール イリーガルな組織というわけか。
GM 「ええ。そういうことです」 ……と、ここで皆さん【看破】で目標値8の判定を行なってください。
フィール 【看破】?
パール (ダイスを振る)成功だよー。
GM 成功したならわかります。あのバスティアンの目――どこかで見たこと有る、そんな気がしました。
フィール 見たことが、ある?
GM そう思って、少し考えると――すぐに思い当たります。あのバスティアンの目。それは、"竜殺しのレオリック"の、狂気を宿した目。それと同じです。
一同 いやああああぁ!?(一同笑)
フィール そういえばあいつも〈無紋聖堂騎士団〉だったな……。
アズール 同じ穴のムジナ、というわけか。
GM と、そんなところで教会に到着します。


Scene 03

パール やっと着いたー!
GM 着きました。ちなみにこのトレンテの街は、二万人の人口を誇る神聖王国の第二都市で、〈神聖教会〉は非常に力が強く、実質〈神聖教会〉が街を支配しているといっても過言ではありません。当然教会の建物も非常に豪華で、まるで領主のお城のようですね。
フィール さすがに荘厳だな。
GM そして、君たちはこの教会を取り仕切っている高司祭に謁見を許されます。……あ、ウルージとハイレディンは即刻牢屋へ連行されます。「きー! 呪ってやりますわー!!」
アズール 自業自得だろうが。
フィール まあ、二度と会うこともあるまい。
GM 高司祭はブレアの報告を受けると、君たちに「〈竜脈使い〉の皆様、大変ご苦労様でした」と深々と頭を下げる。とても柔和そうな人だ。……あ、安心してください。この人はマルクス派です(笑)。
アズール それはよかった!(笑)
GM 「皆様のご尽力のお陰で、コーネリア様がここまで無事に辿り着くことができました。あの恐ろしいレオリックに加え、海賊バルバロッサまで捕らえられるとは。さすがはあの狡猾な魔法犯罪者ワーグナを倒した方々だ」
フィール い、いろいろ知れ渡ってんなあ。
アズール ま、クロウの知名度があれだしな(苦笑)。
クロウ ごめんね、私が有名なせいで(笑)。
GM 「バルバロッサの賞金はすでに用意しておりますので、こちらでお受取りください」と、20000Gが君たちに手渡される。
パール わーい! ありがとうおっちゃん!
フィール お、おっちゃんて。
GM 「皆様には宿を用意しております。もとより路銀の不要な皆様ではございますが、〈神聖教会〉で手厚くお世話させて頂きます」
フィール ……こんな歓迎を受けたのは生まれて初めてだからちょっと戸惑う俺がいる(笑)。
GM いいのよ、フィール。第一話の君のようにドヤ顔でいてくれればそれでいいのよ(一同笑)。
アズール すっかり自信をなくしてやがるな、このおっさん(笑)。
クロウ アズールに下がっていなさいと言ったフィールはどこへいったの(笑)。
フィール (耳を塞ぎながら)そんな俺はなかった! 自信過剰な俺なんていなかったんや!
パール 黒歴史になってる(笑)。
GM というわけで、君たちの任務はこれで終了です。まあ、もしまたコーネリアをどこかへ移送することになった場合は君たちに〈召喚状〉が発行されることになるでしょうが、いまのところその予定はありません。
クロウ じゃあ、用意してもらった宿でゆっくりしようか。
パール わーい! ばかんす! しょっぴんぐ!!
GM では、宿に向かおうとする君たちを、コーネリアが呼び止めます。「クロウ、パール。ちょっといい?」
パール なあに?
GM 「どうやらここで、しばらくお別れみたいね」
クロウ そうみたいね。コーネリアはこの教会に住むの?
GM 「そうね。この教会にある部屋に住むことになるみたい。そういうしきたりのようね」なんせVIPですから。
フィール そうだろうなあ。
GM 「ええと、つまり何が言いたいかっていうとね……この前は助けてくれてありがとう。貴方たち、本当に強いのね」
クロウ もちろんよ。
GM 「私の仲間がいる場所まであと少しらしいから。それまで、よろしく頼むわね?」
パール 任せといてよ! 
GM 「言いたかったことは、それだけよ。……それじゃ、少し休むわね」と、彼女はあまり見せない、少し照れた表情で頭を下げると、奥の部屋へと去っていきます。
パール ……お姉ちゃん。いいものみたね。
クロウ そうね。珍しい顔をみたわ。
GM 君たちはコーネリアの一枚絵を回収した!
フィール ギャルゲーかよ!(一同笑)
GM ちなみに教会は海を見下ろせる高台にあるんですが、用意された宿はそのすぐ下で、街と海を一望できる高級宿です。
フィール 分相応なんだか不相応なんだか……。
アズール まあ、一旦宿に向かうとするか。


Scene 04

フィール さて、まずは宿に向かうか? それとも買い物?
クロウ 師匠に会いに行きたいんだけど、神聖王国にいるとしかわからないんだよね。
パール あたしは、まずは買い物!!
フィール そうだなー。(いい笑顔で)とりあえず誰か6000G貸してもらえないだろうか。
GM 君、ちょっと借金しすぎやろ!(一同笑)。
フィール パーティの生命線として装備の充実が必須なんですよ!
GM 前にアズールから借りてたし、前回ルクレツァからも借りてたじゃない!(笑)
フィール ええ。パールからだけ借金歴がありません。だって後が怖そうだし……。
GM そういう理由かよ(笑)。パールちゃんはあんまり金もってないのかな?
パール あたし? あと8000Gあるよー。
GM 結構もってるじゃん。
パール うん。でもいまから消耗品で全部使うけど。
フィール 全部使うんだっ!?(笑)
GM まてまてまて。8000とか消耗品で使う金額じゃ…………いやそうでもないか?
パール 意外に使うよ(笑)。
フィール い、異界探索者……恐ろしい子……!
アズール というか、いかにフィールが他人から金をせびってるかという話だな。
フィール 仕方ないだろ。言っとくけどな、俺が常にクロウの【生命力】を一発で全快させられるだけの回復力を維持してないと、このパーティ一瞬で全滅するぜ?
GM それはありますねー。特に〈竜脈使い〉相手だとクロウの【生命力】が1発で1ケタまで減るのも珍しくないですし、クロウが倒れたらこのパーティ一瞬で瓦解しますからね。その投資の甲斐はあると思いますよ。
フィール あとルクレツァからの借金は全部クロウに使ったから俺は一文も得してない(笑)。
クロウ そういえばそうね(笑)。
GM ……と、君たちが街中でそんな会話をしているとですね。どこかで聞いたことがある甲高い声が聞こえてくるよ。
クロウ え? この街の知り合いって、師匠くらいしか……。
GM 「んん〜 もしかしてそこにいるのはレディ・クロウじゃないか?」
フィール こ、この口調はまさか……。
GM ええ。そこには、かつて君たちが護衛したことのある人物……シャルル王子が立っている。
一同 お前かよっ!?(笑)
アズール ま、まさかの再登場っ!?
GM どこからともなく雅な感じのバイオリンの音がバックに流れたりしてですね(笑)、「やあ、久しぶりだね君たち!」とJ○J○立ちしながら君たちを指さす。
フィール …………思いっきり無視して立ち去る、というのはどうだろうか。
アズール 個人的には物凄く賛成だが無視させてくれないだろうな(苦笑)。
パール あ、金ピカのお兄ちゃんだー!
GM 「やあパール! 君は相変わらずクリクリしてるねぇ?」
パール 「シャルル王子もあいかわらずばかっぽいねぇ!」
GM 「いやぁ、そんなに褒めないでくれたまえ」(一同笑)
クロウ 「ま、まさかこんなところで貴方に会うなんてね……」
GM 「いやあ。なぜ僕がここにいるかというとね?」
フィール 聞いてねえ! 誰も聞いてねえ!(笑)
GM 「それはもちろん、もっと立派な〈竜脈使い〉となるため、修行の一環として見聞を広めるためにお父様に黙って、もとい堂々と出てきたのさ!」
アズール ま、まさかこいつに再び会う日がくるとは……。
GM 「実はさっき港で君たちを見つけていたんだけど、声をかけるタイミングをはずしてしまってねぇ。で、ふらふらと道をうろついていたら、見事君たちに再会を果たしたというわけさ!」
フィール う、うざい(笑)。
GM 「ま、君たちも僕ほどではないとはいえ目立つ活躍をしているようだね」
クロウ 貴方がどんな活躍をしたっていうのよ(笑)。
GM 「で、なにかい? 君たちがここにきたのは、秘密裏にこの街にやってきている〈天秤の枢機卿〉から密命を受けるためかい? それとも〈聖剣士〉フリーダに教えを請うためかい?」
フィール ……なに?
GM 「ああわかった。レディ・クロウ。剛剣士フェルディナントと再戦するためだね? 彼ならさっき見たよ?」
一同 お前色々ちょっと待てっ!?(一同笑)
アズール なんでそんなに情報通なんだよお前っ!?
フィール とりあえず3箇所ほどツッコませろやこら!(笑) さらっと凄い情報漏らしてるだろ! おい!!
クロウ ……ちょっと、その話詳しく。
フィール そうだな。ちょっとそこまで来てもらおうか。
GM 「い、痛いよフィール、何をするんだい! 僕たち友達じゃないか痛いよなんで君アルテルなのにそんなに腕力があいててて!?」
フィール やかましいわ、とっとと来い(笑)。


Scene 05

GM えー、では君たちはすぐ近くにあった喫茶店にシャルルを連れ込みました。彼は物凄い勢いで小指を立てて紅茶をすすってます。「…………ふう」(一同笑)。
パール もうなにをしてても面白いね、この王子……。
フィール さて。まず、枢機卿についてお前が知っていることを洗いざらい吐いてもらおうか。
GM 「ん? 〈天秤の枢機卿〉かい?」 シャルルが言うには、彼ではなく彼の侍女が枢機卿を見たそうですね。街の中心の宿に護衛と一緒に宿泊しているのを偶然発見したらしい。
アズール ……ふむ。
GM 「お忍びのようだったけど、あの高貴な佇まいは間違いなくマルクス卿だね。いやあ、やっぱり僕がこの街にきた情報が彼に伝わったからなんだろうね。さすが僕だね!」
アズール うるせぇ黙ってろこのダメ王子!(笑)。
パール いやー、さすが王子様だねえ!
GM 「うんうん。さすがパールちゃんはよくわかって――」
フィール で、次はフリーダについてだ。
GM 「――あ、ああそうかい?」 シャルルによると、繁華街にある〈剣の館〉に数人の弟子とともに逗留しているという話を、酒場の店主から聞いたそうです。なにやら人を探している様子だったとか。
フィール ほう。
GM "オラお前ら、とっとと探してこい!""ひいぃっ!?"というような声が館に響いていたとかいないとか。
クロウ か、変わってないなあ師匠……(笑)。
GM 「〈聖剣士〉フリーダと言えば、あの〈剣聖〉ファレリアの直弟子だよ? やっぱりこの僕がこの街に――」
アズール で、最後のみっつめだ。フェルディナントがここにいる、と?
GM 「――え、あ、う?」(一同笑)
クロウ いいから、さっさと話しなさい。
GM 「あ、はい話しますすいません」(一同笑) シャルルによると、フェルディナントが港から貧民街に移動する姿を目撃したそうです。
クロウ 貧民街、か……。
GM 「レディ・クロウ。どうやら君はあのフェルディナントに土を舐めさせられたそうじゃないか? ああいや待ってくれ決して君を侮辱するつもりがあるわけじゃない僕は君の味方だよ?」(一同笑)
フィール な、なにをどう喋っても胡散臭い男だなおい。
クロウ ねえシャルル。フェルディナントは、どんな格好だった? なにか持ってなかった?
GM 「そうだねえ。そういえば、新品のデュエリストメイルを着ていたね」
クロウ 硬くなってる!?
GM あ、ちなみにデュエリストメイルのお値段はちょうど10000Gです(一同爆笑)。
クロウ くっそーー!!(笑)
フィール こ、これは悔しい情報だ(笑)。
アズール お、思わぬところで奪われた賞金首が俺たちへのペナルティになっているな(苦笑)。
GM 「なにか急ぎの用事があったようで、急ぎ足で貧民街の方へ歩いていたよ? まあ彼はいい噂を聞かないから声をかけなかったんだけど。いや僕にかかれば彼ぐらい、いざとなったらどうとでもなるんだよ?」
クロウ 決闘で奪われたあの魔導書はどうしたんだろう?
GM 「魔導書? そういえば大きな本を持っていたね。ホルスターに入れて大事そうに運んでいたよ」
フィール やはり、持ったままか。
GM 「いやしかし、やはりあのような男を倒すのはこの天才的な魔道士であるこのシャルルしかありえないね!」
パール いやー、王子さんだと相手にすらしてもらえないと思うよ?
GM 「ああうんそうだよね。やはり彼程度では僕の相手にはならないよね!」
フィール あいつが魔導書を持ったままなのはいいとして、だ。あれを解読する切り札はこちらにあるんだよな。
アズール そういえば、そんなアイテムを前回手に入れていたな。
GM 「どうしてそこで無視するのかなっ!?」(一同笑)
フィール 最大の問題は、だ。……そのアイテムを持っていることを、俺とアズールは知らない(笑)。
アズール そういやそうだ!(笑)
フィール あとはフェルディナント・枢機卿・フリーダがこの街にやってきた目的はなにか、だな。……3人が同時にこの街にやってきたのは偶然なのか?
アズール フェルディナントはコーネリアがこの街にいることに気がついたのか?
フィール わからん。だが魔導書に書かれた言語が神聖語であることに気づいたのなら、解読できる人間を探しにこの街にやってくるのは不自然ではないな。
GM ああ、そうだそれで思い出した。アズールは、いまは少しだけなら神聖語を簡単に理解できるよ。
アズール 了解だ。船の上での努力が実を結んだか。
フィール ん? コーネリアに教わってたのか? いつの間に。
アズール ああ。それについては前回GMに渡したメモを参照、ということになるな。
フィール いやいやいや。じゃあそのメモ渡せよ! そのメモ渡してもらってないからリプレイ書くときに地味に困ったんだよ!(一同笑)
GM まあつまり、コーネリアに神聖文字と神聖語を習いたい、という内容だったんだよ。
フィール ったく、プレイヤーが渡したメモの内容がわからないとか、某七砦のリプレイじゃあるまいし(笑)。
GM まあそれはさておき。「さて、僕は人と会う約束があるので、そろそろ失礼するよ。それじゃ皆さん、ごきげんよう」
フィール そ、そうか。
GM 「ま、そのうち僕の大活躍な伝説を耳にすると思うけど君たちも頑張りたまえ」
パール がんばってねー(笑)。
クロウ あいつの知名度は、きっと馬鹿さ加減の有名さね……。
パール で、実際問題シャルルの知名度はいくつなの?
GM シャルルの知名度? 彼のデータには「知名度:なし」って明記されてますが(一同笑)。
フィール やっぱりただの一般人じゃねえか!(笑)


Scene 06

GM さて、シャルルは独特なカン高い笑い声を残して去っていったわけですが。
フィール ……幸いというかなんというか。目的のNPCの行方がことごとく判明したわけだが。
GM どうします? 順番に回ります? それとも各々が別れて行動します?
アズール あまり別行動はしたくないな。フェルディナントが街をうろついていることを考えると、なにが起こるかわからない。
クロウ 私は、師匠に会いにいきたい。
フィール ふむ。〈剣の館〉にいるという話だったな。
クロウ ほら、もしかしたら、師匠は私を探してるのかもしれないし。
パール お姉ちゃん、すごく有名になったもんね!
アズール それはない気がするが(笑)。
フィール 順当に考えればフェルディナントを追っている、と考えるべきか。フリーダの師匠はフェルディナントの師匠に殺されているわけだからな。
GM では、フリーダに会いにいくかい?
フィール 四人揃って行く必要はない気がするんだが……しかし別行動は不安が残るな。だが、その後枢機卿に会いにいくにしても……アズールの身の上に関する話だろう? アズールは一人で行きたいんじゃないか?
アズール むう……フィールが付いて来てくれる事に関しては問題ないんだが。
GM もう保護者みたいなもんですしね。
フィール 付いて来いというのなら俺は構わんが。女性陣はどうするんだ?
アズール あまり人に聞かれたい話ではない、が……
フィール そこはアズールの判断に任せるよ。 …………ああ、人に決断を任せるっていいなあ。
GM あんたそれが仮にもパーティーリーダーの台詞か!(一同笑)
フィール ま、これに関してはアズールのプライベートな問題だしな。
パール じゃあ、あたしアズールが悩んでる間にお買い物する!
クロウ そうね。とりあえず買い物しようか(笑)。
GM はいはい。この街はこの世界有数の街なので、たいていのもんなら購入できるよ。



 一行はここで、消耗品などを買い込みます。

「俺は経典を買う。これで回復の基本点が41まで上がる」「だいぶんあがりますねー」「私はどうやったらダメージあがるかなあ」「強者の大剣を使い続けるなら《サイクロンブレイク》まじおすすめ。《概念を断つ》も加えたらたいていの敵は一刀両断よ」「それだ!」「俺はこの魔法ダメージ−10の装備かなー。どうせ《レイスフォーム》するし」「GM、リンケイスほしいです」「貴方が世界を救う時ならもらえるかもしれません。具体的には〈分体〉と戦うときとか」「戦いたくねえっ!」「消耗品かったら所持金8000Gが残り475Gになった」「なにをどんだけ買ったの!?」

喧々囂々、30分程。
ある意味、このゲームで一番楽しい瞬間かもしれません(笑)。

GM はい、じゃあ買い物は終わりましたね?
一同 はーい。
GM で、君たちの行動はどうするんだね?
アズール ……ううん。やっぱり、枢機卿に会いに行くならフィールと2人で行きたいな。
GM となると、いつもの二組に別れるわけだね。
クロウ 別にいいわよ。じゃあ私とパールちゃんは師匠に会いに行ってくるわ。
パール あたしも全然構わないよ。
フィール ふむ。なら夕方に宿で落ち合おう。
GM では、アズール&フィールは枢機卿を探しに、クロウ&パールはフリーダを探しに行く、という方針でいいね?
フィール ああ。
GM では、アズール組のほうから処理しましょう。


Scene 07

GM ルクレツァの話を聞く限り、〈天秤の枢機卿〉マルクスは禁断の魔導書やアズールの過去についてなにかしらの情報を知りうる人物です。
アズール たしか、ルクレツァの名前を出せば話を聞いてくれるということだったな。
GM ルクレツァからはそう聞いていますね。というわけで、アズールたちはマルクスがいるという高級宿へやってきました。
フィール その高級宿の主人に、マルクスに取り次いでもらうよう頼もう。お忍びとはいえ目立つ客だろうし、その客に「ルクレツァの養子が会いたいと言っている」と伝えてもらえばマルクス卿も無視はできんだろう。
GM そうですね。ルクレツァの名前を出すなら問題ありません。君が宿の主人に伝言を頼むと、しばらくして奥の部屋に通されます。「お客様が、お会いするそうです。お部屋は三階の一番奥の部屋となります」
アズール では、その部屋へ入ろう。
GM では、君たちがマルクスがいる部屋へ向かおうとすると……「よう、ボウズ。久しぶりじゃねえか」と、聞き覚えのある声が聞こえてきます。
アズール (物凄く嫌そうな顔で)ほら、一人で来なくて正解じゃないか……。
GM 階段の上から君たちを見下ろしているのは、〈無紋騎士団〉が一人、グロムハイトだ。
フィール 変なところで会うなあ、おい(苦笑)。
GM 「なんだお前ら。なんでこんなところにいるんだ?」
アズール ……尋ねなくても、わかってるんじゃないのか?
GM 「んん〜?」 では、ここで【知性】判定をしてください。目標値は8だ。
アズール (ダイスを振る)成功だが?
GM では、そのアズールの返答に、グロハイトは完全に疑問の表情を浮かべていますね。君たちの目的に本当に心当たりがないようだ。
フィール ん? グロムハイトですら、マルクス卿がここにきていることを知らない?
GM 「ん〜、まあいいや。俺もヤボ用で来てただけだし、特にお前らに用もないしな。俺はすぐに退散させてもらうよ」
アズール ……なあ、グロムハイト。ひとつだけ聞かせてくれないか?
GM 「ん? なんだ?」
アズール 「あんた、バスティアン総長をどう思う?」
GM 「…………そいつぁ、ずいぶんとクリティカルな質問だな」(一同笑)
アズール 俺とあんたは特に仲が良い訳じゃないが……まあ、無関係ってわけでもないんだ。遠まわしに言っても仕方ないだろ?
GM 「お前はいつでもストレートな質問をする奴だな(苦笑)」
アズール で? 実際のところどうなんだ?
GM 「そうだなあ…………(小声で)ぶっちゃけ一緒に仕事したくねえんだよな」(一同笑)
アズール ぶっちゃけた!?(笑)
GM 「だってなあ。狂ってるぜ、あいつ」
フィール む、無紋騎士団の副長に狂ってるって表現されるって……(笑)。
GM 「今日もな、ペリーテの少女を連行してきててよ。で、それどうすんだって聞いたら即答で"拷問する"って言うんだぜ? もうなに考えてんのかさっぱりわかんねえよ」
アズール グ、グロムハイトにここまで言わせるのか……(笑)。
GM 「付き合ってらんねえから思わず予定を外回りに変更したってわけなんだけどな。マジで意味わかんねえよあいつ」
フィール ……よかった、グロムハイトはまだマシな感性をしてる人間だった……(笑)。
GM 「まあでも俺も親の代から〈無紋聖騎士団〉な立場で、あいつは一応上司だからな。命令されたことには逆らえん。ま、そういう奴だ」
アズール ふうむ。
GM (ぼそっと)「……事故かなんかで死んでくれねえもんかねえ」
フィール 気持ちはわかるがそれは胸にしまっとけ!(一同笑)
GM 「しかし、なんだってそんなことを訊くんだ?」
フィール ……その、ペリーテを連行しているところを見ちまってな。
GM 「ああ、なるほどな…………ま、なんだ。なるべく関わるな。で、できる限り早くこの街を出ろ。俺に言えることはそれだけだ。これでいいか?」
フィール ああ、十分だ。
アズール 正直そこまでぶっちゃけてくれるとは思わなかったぞ(笑)。
GM 「ま、俺だってなあ……いや、これ以上はもう無理だな。とにかく関わらないことだ。じゃあな」
アズール ああ、ありがとうよ。
GM では、グロムハイトはそのまま宿を出ていきます。
フィール しかし……マルクス卿がここにいるという情報を、グロムハイトすら知らないとはな……敵対派閥のトップだぞ?
アズール 本当にお忍びで来ている、ということか。
フィール まあいい。いまはとにかくマルクス卿にお会いしよう。


Scene 08

GM 君たちが指定された部屋に向かうと、扉の前に立っていた護衛がすぐに君を枢機卿のいる部屋に通してくれます。部屋の中で君を待っていた枢機卿は、君が入ってくると、温和そうな笑顔を浮かべる。「よくぞ来た、アズール。こんな立派な若者になって……」と君の手をとる。
アズール 「……まずは、貴方にお会いできたことを光栄に思います」と慣れない敬語で喋ります(笑)。
GM 「いやなに、礼はいらん。それより、こんなところへ私を訪ねてきたということは、急いでおるのだろう? アズール」
アズール 「はい。ルクレツァに、貴方に会うように言われました。貴方に会って、話を聞けと」
GM 「……そうか」枢機卿はしばし君を見つめると、ゆっくりと話し始めます。「巷では、なにやら血なまぐさい動きがあるようだな。私もそのことは薄々感じておる。そして、君はどうやら自分の過去と対峙する時がきたようだね」
アズール 「そう……ですね。この間、ワーグナに会いました。そして、自分の出生に秘密があると知りました。その秘密を知りたいのです」
GM 「よかろう。私の知っていることを教えよう」
アズール 「お願いします。俺は、自分の過去を知りたいんです……!」
GM 「うむ。私が知っているのは、君が追っている例の魔導書が関わっている、十年前の事件だ」
フィール 「俺たちがルクレツァから聞いた事件ですね?」
GM 「そうだ。私は、その事件を〈神聖教会〉側の視点で話すことができる」
アズール 「なるほど。ルクレツァの話は、あくまで〈魔導連盟〉側の視点……ルクレツァの知らない情報があるということですね?」
GM 「さよう。とある、エイスンという神官の話だ」
アズール 「エイスン……確か、ルクレツァが仲間と共に倒した、犯罪者ですね?」
GM 「そう――エイスン=エイブラハム。例の〈竜神器〉の在り処を記した魔導書の著者だ」 
フィール 興味のある話だな。
GM マルクスによると、エイスンは神聖文字と神聖語を理解できる、数少ない人間だったそうです。高い実力を誇る救世者で、トレンテ修道院長の地位にいましたが、盟友であるグスタフ=ヘイゲンという魔法士と画策して、なんらかの理由により〈神聖教会〉の資産を勝手に運用していました。金額にして、城一個を立てられるくらいの資金を横領していたそうです。
クロウ そ、そんな金額を勝手に?
フィール よ、よくもまあ……
GM トレンテの修道院長っていうのは物凄い高い地位なんですよ。猊下と呼ばれ、全国の修道院の資金繰りを預る立場なのでそれが可能だったのです。が、とうとう横領の事実が上に発覚し、〈無紋聖堂騎士団〉と〈魔導連盟〉の魔法士殺しによって抹殺されてしまいます。
アズール 「それはルクレツァからも聞きました。……しかし、エイスンはなぜそのようなことを……?」
GM それは、彼を抹殺した人間が彼本人から聞き出しています。エイスンの最期の言葉によると、〈深淵の塔〉という物を造るために資金を流用していたそうです。
アズール 〈深淵の塔〉?
GM 〈深淵の塔〉はグスタフ=ヘイゲンが考案したもので、それ自体が強力な魔法装置であり、伝説の〈竜神器〉の魔力を利用し、虹色に輝く〈竜鱗〉を人工的に創りだすことを目的としています。
フィール 〈虹色の竜鱗〉だと!?
GM エイスンは、この〈深淵の塔〉こそが地上から〈魔境〉を一掃する唯一の手段だと信じ、〈神聖教会〉の資産を運用し、費用と人件費を捻出したらしいのです。
アズール ふうむ……。
GM なお、この資金運用が行われた際、ロイゼンブルグ周辺で討伐者・フラッグマン・行商人といった職種の人たちが相次いで行方不明になっているという報告があります。
フィール おいおいおい!(笑)
GM 人手が必要だったんでしょう。……その後、その人たちがどうなったのかは誰も知りませんが。
アズール 真っ黒じゃねえか(笑)。
フィール 「その〈深淵の塔〉とやらは、本当に〈竜鱗〉を作り出せるのですか?」
GM 「〈深淵の塔〉がどのような塔なのかについては、〈神聖教会〉は専門外なのだよ。だから、これから話すことはあくまで〈魔導連盟〉からの情報である、ということを念頭においてほしいのだが――」 〈深淵の塔〉はパルメラにある十大魔法士の塔を模して建設された儀式施設であり、それ自体が強力な魔法増幅施設となっています。また、その中には〈竜神器〉が収められていると言われています。
アズール とんでもない代物だな……。
GM グスタフは当初、〈竜鱗〉を創るための儀式を十大魔法士の塔を使って行うつもりでした。しかし、儀式の計画書が〈魔導連盟〉に認可されなかったため、十大魔法士の塔の代替品として〈深淵の塔〉を建造したようです。
アズール なるほど。
フィール むう……しかし、それとアズールがどう関係するのかがわからないな。アズールは、そのエイスンの研究所で発見されたんだよな?
アズール 正確には、試験管のようなものに入っていたという話だが……嫌な予感しかしねえな(苦笑)。
GM あともうひとつ、枢機卿から情報があります。それは、グスタフ=ヘイゲンが抹殺された理由。
フィール ん、そうか。教会の資金横領はあくまでエイスンの罪であって、グスタフが抹殺される理由にはならないよな。
GM ええ。グスタフが殺された理由は、グスタフが禁呪を使っていたことが発覚したからです。
アズール 禁呪……とは?
GM 「グスタフが研究していた禁呪……それは、人工生命を創造する法――――すなわち、ホムンクルスの創造だ」
一同 やっぱりそういうことか――――!?(笑)
GM グスタフの弟子でありアズールの養父であるノイマン=クライスは、グスタフの研究所でホムンクスルの幼生を偶然発見し、それが〈魔導連盟〉に報告されたことにより、グスタフは抹殺されることになったわけです。
アズール その……ホムンクルスの幼生……は?
GM 「発見されたホムンクルスの幼生は潜在〈竜脈〉が著しく高く、おそらく〈虹色の竜鱗〉をその身に降臨させ、その力を意のままに操るつもりだったのではないかと推測されておる」
フィール なるほどな。そういう手段をとったわけか……。
GM 「なお、このホムンクルスの幼生は、〈神聖教会〉で引き取られ――その後、教会の手で処分されている」
アズール 処……分……?
GM 「そうだ。処分した」
フィール 「それが、〈神聖教会〉の公式な報告――というわけですね」
GM 「うむ」
フィール ……お前、とんでもない素体だったんだなあ、おい。
アズール う、ううむ……。
GM 「私が教えられることは、このくらいだ。なにか質問はあるかね?」
アズール あー、これはプレイヤーからの質問なんですが。そのグスタフ=ヘイゲンというのは、ロイゼンブルグの〈魔導連盟〉の副総括者であるルドルフ=ヘイゲンとは……
GM 兄弟ですね。グスタフが兄でルドルフが弟です。
アズール めちゃくちゃ大物じゃねえか!(笑)
GM 〈魔導連盟〉のお偉いさんの肉親が、〈神聖教会〉のお偉いさんを巻き込んで犯罪を犯したんですからね。そりゃ秘密裏に処理するってもんです。
フィール とんでもないスキャンダルだな。そりゃ、迷わず抹殺部隊を差し向けるわけだ。
GM 「私から君に話せることはこれくらいだ。――当然、いまの話が自分とどう関係するかは、想像できよう?」
アズール 「そりゃあ、まあ……」なんとか動揺を顔に出さずにおこうとがんばってますが(苦笑)。
GM 「うむ。だがそれを聞いてどうするかは、君が決めることだ。そうだな?」
アズール 「……はい……」
フィール 「ありがとうございます。謎が、ひとつ解けました」
GM 「神の民であるコーネリア様がこのトレンテに向かっていると聞いた。しかしそれと同時に〈無紋聖堂騎士団〉がトレンテに集結していると聞き、私は万一のことに備え、秘密裏にコーネリア様を迎えに来ていたのだよ」
フィール なるほど、そういうことか。
GM 「これは〈無紋聖堂騎士団〉には聞かれたくはない。奴らは何を考えているかわからないからな……だが、そうやってこの街にやってきて、ノイマンの忘れ形見である君と出会うことになるとはな。これも主神アルレウスのお導きに違いない」
アズール 「全部話してくれて、ありがとうございます」
GM 「もう、察しは付いているかね?」
アズール 「…………ええ」
GM 「なら、君の考えている通りだ。私はかつてエイスンの記した禁断の魔導書の解読をノイマンに依頼した際、ノイマンから君の素性を聞き、力になってほしいと頼まれたのだ」
フィール 「それで、ホムンクルは処分されたことにし、アズールをノイマンの養子にした、というわけですね」
GM 「その通りだ」
アズール 「…………」
GM 「ノイマンもルクレツァも、できれば君に知って欲しくはなかっただろう。しかし、君がこれを知るということは、なにかしら天命のようなものがあるのだ。悪いように考えてはいけない。いいね?」
アズール 「……大丈夫です。俺が自分を知りたいと思ったのは、自分自身を知り、自分をしっかり持たないと……自分の足で、歩いていけないと思ったからです」
GM 「その言葉……きっと天にいるノイマンも喜んでいることだろう」君の言葉と決意を聞いて、彼は静かに涙を流す。
アズール 「ありがとうございました。これで、知りたかったことが少しわかりました」
GM 「うむ。立派になったな、アズール」
フィール 「……ところで、こちらからもひとつ伝えておきたいことがあります」
GM 「なんだね?」
フィール 「その魔導書の話です。ワーグナに強奪されたことは知っておられますね?」
GM 「ああ。だが、ワーグナは君たちが倒したのだろう?」
フィール 「ええ。ですが魔導書は別の人間――フェルディナントという男に奪われました」
GM 「フェルディナント……あの"剛剣士"の異名を取る〈剣の王〉か。噂は聞いておるが……その男が魔導書を? 一体なんのために……」
アズール 「あいつは〈竜神器〉を狙っているのです。
GM 「なるほど……確かに〈魔導連盟〉の情報では、グスタフ=ヘイゲンは伝説の〈竜神器〉を入手し、それを媒体にし〈虹色に輝く竜鱗〉の精製を行おうとしていたと聞くが……。これは早速〈神聖教会〉に伝えねばならんな」
アズール 「……禁断の魔導書を持つ男がこの街に来ている。そして、都合よくその魔導書を読めるコーネリアがこの街にいる」
GM 「うむ……これはできすぎている。この街になにか恐ろしい思惑が渦巻いているようじゃ」
アズール 「俺の嫌な予感が当たらなければいいのですが……」
GM 「……よもや、ここにレンドールが関わっているのではあるまいな……」と枢機卿はぶつぶつと考え事を始めますね。
フィール ま、偶然ではなかろうさ。
GM 「わかった。わしのほうでもコーネリア様の守りをより強化するよう、手配しよう。とにかく動かせる聖堂騎士を動かそうではないか」
アズール 「よろしくお願いします」
GM 彼から聞けることはこれくらいだね。
フィール ……ふむ。まとめるとこんな感じか。

  • グスタフは〈虹色に輝く竜鱗〉を創るために伝説の〈竜神器〉を入手し、深淵の塔とアズールを創ったが、禁呪を利用したことにより〈魔導連盟〉に抹殺された。
  • エイスンは塔を作る資金を横領により捻出したが、それが原因で〈神聖教会〉に抹殺された。
  • 伝説の〈竜神器〉の在り処はフェルディナントが持っている魔導書に記されている。
  • アズールは〈虹色に輝く竜鱗〉を創るための媒体である。

フィール ……過去の問題はこんなもんだが……フェルディナントの目的が問題だな。
アズール あいつの目的は〈伝説の竜神器〉だろう?
フィール 口ではそういってたがな。信用できるかどうかは別問題だろう。
GM ぐふふ。さあどうだろうねえ?(笑)
フィール まあフェルディナントに関してはクロウの師匠がなにか知ってるかもしれんしな。いったん宿に帰ろう。


Scene 09

GM さて、女の子チームです。〈剣の館〉に向かう、でいいですね?
クロウ&パール はーい。
GM 二人が〈剣の館〉に向かうと、館の前に見覚えのある女性がいることに気づきます。
クロウ 女性?
GM 「まあ皆様。ご無沙汰しております」 その女性は、第一話に登場したシャルルの侍女です。
パール ああ、あの!
クロウ お顔にハエが、の人だ(笑)。
パール 「お久しぶりー! さっき馬鹿王子にあったよ!」
GM 「まあ、シャルル様に? それは偶然ですわね」
パール そうだねー。
フィール ……いやまて、馬鹿王子で会話が通じていいのか、侍女よ(一同笑)。
GM ちなみに彼女は小さな荷運びようのロバ車に乗り込もうとしているところでした。どうやら〈剣の館〉で買い物をしていたようです。
クロウ ここで買い物? 馬鹿王子の使いなのかな。
GM 「以前護衛をしていただいたときは、ろくに挨拶もできずすみませんでした。護衛していただいて、本当に感謝しているのです」
クロウ 「ううん、いいのよ。あんな軟弱王子と一緒じゃ大変よね」
GM 「いえいえ。普段はもっと頼りになる方なんですよ?」
アズール 嘘つけっ!?(一同笑)
GM 「護衛して頂いた時、シャルル様は足にお怪我をされていたのですよ。ですから戦いなどは護衛の皆様に任せるしかなかったのです」
パール 「怪我? そんなのしてたっけ?」
GM 「ええ。なんでも足をくじいたのだとか」
フィール 怪我のうちにはいらねえっ!(一同笑)
クロウ 所詮シャルルか……(笑)。
GM 「本人は階段から落ちたなんておっしゃってましたが、それなりに大きな怪我だったんだと思います」
パール 「ほんとにー?(笑)」
GM 「ええ。だって、普段ならクリッターはシャルル様が全部追い払ってくださいますもの」
クロウ ………。
パール ……………。
フィール ………………え?(一同笑)
GM 「シャルル様は、ああみえて〈栄光の塔〉出身の優秀な魔法士なんですのよ?」
一同 はあ!?(笑)
GM 「…………もしかして、信じておられなかったんですか?」
クロウ 信じられるわけないでしょ!(笑)
GM 「ああみえて、ほんとうに《高速詠唱》が得意だったりするんですけど」(一同笑)
アズール 本当だったのかよ! あれ!(笑)
GM 「ああみえて幼少の頃から神童と呼ばれ、将来を嘱望された方だったのですが……どういうわけか十年前くらいから放蕩の限りを尽くすようになってしまいまして……」
クロウ ……ああ。似たようなのがうちのパーティにもいるわね。
フィール 一緒にすんなよ頼むからっ!(笑)
パール 「だめだよお姉ちゃん、あんなのと一緒にしちゃあ」
クロウ 「そうね、性格が違うものね」
パール 「そうそう。王子は酒に逃げるような駄目人間じゃなかったよ?」
フィール ああもうほんとすいませんね駄目人間でっ!?(一同爆笑)
GM 「ああ……うちの王子は、どうしてああなっちゃったのでしょうか……」と思わずハンカチで涙を。
クロウ フィールと王子を足して2で割ったら丁度いいかもしれないわね。
フィール 勘弁してくれ頼むから(笑)。
GM 侍女はひととおり愚痴ると、「あらすいません、長話をしてしまって。わたしはそろそろ帰りますね」と彼女はロバ車で去っていきます。
クロウ 一体、なにを買ったんだろう?
GM 荷車には、剣とかリーフの箱とかが大量に見えますね。
クロウ か、金持ちだなー(笑)。
GM ええ。そして「番外編・シャルル王子の大冒険」の幕が切って落とされるわけですよ。
フィール "待て、外伝!!"
アズール いらねえよっ!(笑)




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