GM さて、侍女は去って行きましたが。 パール じゃあ、〈剣の館〉に入るよー。 GM では君たちが〈剣の館〉に入るとですね。中から「まだ弟子は戻ってこんのかっ!!」と怒号が聞こえます。 クロウ ……うっ(笑)。 GM 声の聞こえたほうを見ると、そこには身長170cm程度の長身の美女───フリーダその人が仁王立ちをして、周囲をギロリと睨めつけています。 クロウ 怖っ!?(笑) GM 大柄の女性で、美人なんだけどその迫力で美貌が台無し、といった感じの人ですね。館の人間はビビりまくってます。 クロウ し、師匠……あいかわらずだなあ……。 GM 周囲はピリピリとした空気に包まれていて、おいそれと声をかけられないような空間に─── パール 「やっほー、フリーダさーん♪」 一同 躊躇なく声をかけたー!(笑) クロウ さ、さすがパールちゃん……空気読まないわ(笑)。 GM 「ああん?」 フリーダはパールをギロリと見下ろします。「なんだい? このクリクリとした生き物は。」 パール 「パールちゃんだよー♪」 クロウ 「し、師匠……お久しぶりです。」 GM 「あ? おや、クロウじゃないか。」先ほど身長170cmといいましたが、実際に彼女と対峙するとそれよりひと回りもふた回りも大きく見えます。 アズール と、闘気が奴を大きく見せている!(笑) GM まさにそんな感じですね(笑)。「ずいぶんと偉そうになったじゃないか。」 クロウ こ、怖い(笑)。 GM 「久しぶりじゃないか。どうしてこんなところにいるんだい?」 クロウ 「い、いや。師匠がここにいると聞いて……」 GM 「あーん? いまや大英雄のクロウ様が、いまさらあたしになんの用なんだい? えぇ?」 クロウ 「え、ええと……」 GM 「才能にかまけて途中で修行を抜け出したあんたが、どうしてあたしに用があるんだ、と聞いてるんだ。」(ギロリ) 一同 こ、こええ!(笑) アズール 負けたなんて言ったら殺されそうだな(笑)。 クロウ ううう。でも私、師匠には嘘つけない。「実は先日、フェルディナントと再会しまして……。」 GM 「なに? フェルディナントと?」 クロウ 「で、〈剣の館〉の作法にのっとった一騎討ちをしたらですね……。」 GM 「勝ったんでしょうね?」 クロウ 「………………う。」 フィール …………ボムを使ってまで負けました、とはいえんよな(一同笑)。 クロウ 「ゆ……油断をして負けまして……(目をそらせながら)」 GM 「ほら言わんこちゃないっっっ!!」 クロウ 「ひいいっ!?」(笑) GM 「昔からお前は努力が足りないとあれほど……!」 クロウ 「だ、だからですね。、……ちょっと師匠に奥義を教えてほしいと思いまして(笑)」 GM 「あああぁん!? 奥義だぁ!?」 パール …………いま、さらっと気楽に奥義とかいったね、お姉ちゃん(一同笑)。 フィール 稽古どころかいきなり奥義かよ(笑)。 GM 「ナメたこと言ってんじゃないわよこの小娘がっ!? 地道な修行も面倒くさいって途中で投げ出すような奴が奥義だとっ!?」 クロウ 「地道な努力なんて必要ないじゃない! だって私天才だもの!」 GM 「ふざけんなあっ!?」(一同爆笑) アズール なんという天才アピール。 フィール 実際に天才だから始末が悪いな(笑)。 GM フリーダは今にもクロウをぶん殴ろうという顔をして───ピタリと、それを思いとどまります。「…………ふむ。そうね。奥義、授けてやってもいいわよ?」 クロウ 「ほ、ほんとですか?」 GM 「そうねえ。あんたが私の役に立つっていうなら、授けてやってもいいわよ。」と、フリーダはパールをひざの上に乗せて猫のようにあやしながらニヤリと笑う。 フィール いやまて、どんだけ巨大化してるんだよフリーダ先生(笑)。 GM もはや頭が天井につきそうな勢いです(笑)。「フェルディナントと会ったのね?」 クロウ 「は、はい。今はこの街に滞在してるみたいですけど。」 GM 「……それ、本当?」 クロウ 「シャルル王子が見たって言ってたから、たぶん。」 GM 「シャルル? シャルルって、あのフェルメラの放蕩息子の? ふうん……いろんな知り合いがいるのね。」 クロウ 「は、はあ……。」 GM 「まあいいわ。私はいま、そのフェルディナントを探しているのよ。」 クロウ 「え、そうなの? どうして?」 GM 「理由は簡単よ。いまこの街に、フェルディナントの第二の師匠……"虐殺士"アインツェルが潜伏しているからよ。」 一同 えええぇ!? GM 「私は"剣聖"ファレリアの直弟子よ。同じ直弟子にして師を殺したあいつを、許すわけにはいかない。奴がこの街に潜伏しているのは間違いないらしいんだけど、居所がつかめない。」 クロウ 「それで、弟子のフェルディナントから捜索を?」 GM 「そうよ。あんたが知ってるなら話は早いわ。奴はいまどこにいるの?」 クロウ 「シャルル王子の話によると、貧民街のほうで見たと……」 GM 「ようし。貧民街にいくわよ。」 クロウ 「は、はい!」 フィール ……あのクロウに有無をいわせんとは……。 アズール 恐ろしい人もいたものだな(笑)。 GM 「じゃあ、貧民街に……いく前に。一時間だけ稽古をつけてやるわ。いますぐ裏の訓練場に来なさい。」 クロウ 「あ、ありがとうございます!」 GM では、訓練場につくと。「さあ、構えなさい。」 クロウ 「はい!」 強者の大剣を構えます。 GM 「もう少し脇を締めて、右足を内側に向けなさい。力が逃げてるわよ」 クロウ 「は、はい!」 GM 「よし、いい構えになったわ。……じゃ、一時間そのままでいなさい。」 クロウ 「えええええ!?」(一同笑) GM 「地味でしょ? 動きたいでしょ?」 クロウ 「そりゃそうですよ!」 GM 「でもだめよ。一時間一ミリたりとも動かずにそのままでいなさい。……あんたに一番足りないのはそれよ!」 クロウ 「ひーっ!?」 パール 一番地味だけど効果的な訓練ってやつだね(笑)。 アズール さすが師匠、的確だな……。 フィール てっきり「この攻撃を返せなければお前が死ぬぞ」的な奥義の伝授がなされると思ってたのに(笑)。 GM 「あんたの場合、敵をよくみて戦えばたいていの敵には負けないわ。敵を知り、己を知れば百戦危うからずってね。……もちろん、それでも勝てない相手もいる。その場合はもう相性だと思って諦めなさい。」 アズール あ、相性は重要だよなこのゲーム……。 GM 「あなたは若い。いくらでもやり直しはきくわ。……悔しいけど、才能もあるしね。」 クロウ 「師匠……。」 GM というわけで約一時間の特訓が終わりました。 クロウ お、終わった……! GM クロウはこの特訓の成果として、取得済みのタレントをひとつ、別のタレントに変更することができます。 一同 おおおぉ! パール 人生を少しやりなおした(笑)。 フィール 剣聖ゆずりの特訓すげえ! GM 「少しはコツがわかったでしょう? その戦場で慣れきっちゃった力ずくの刀法を修正しなさい。」 クロウ 「は、はい……!」 なにを変えようかなあ。 GM いますぐ変更しなくても、次のセッション開始までに変更してもらえれば結構です。ただし、初期取得のタレントは変更できません。 クロウ はーい。では次までに考えておきます。 GM 「じゃあ、いくわよクロウ。もしそこにアインツェルがいたら……あなた、決闘の見届け人になって頂戴。」 クロウ 「は、はい……!」 GM ちなみに決闘の見届け人になるってことは、万が一フリーダが敗北した場合、彼女の死体は君が持ち帰らなければならない、という意味でもある。 クロウ う……! フィール 口ではなんだかんだいっても、それだけ信頼されてるってことか。 GM 「じゃあ、行くわよ。」 クロウ 「あ、師匠! いく途中で他の仲間とも合流していいですか?」ここで合流しないと合流できなさそうだ(笑)。 パール 確かにそうだねー。 GM 「いいわよ。じゃあその宿に向かいましょうか。」
GM では、フィールたちが待機している宿にシーンを移しましょう。 アズール 俺たちは枢機卿と別れた後、買い物をしてから宿に戻るぞ。 GM では、二人が宿に帰ってきて一階の酒場でくつろいでいると、宿の外からズシーン、ズシーンという足音が……。 フィール バスターバロンか、お前は!(一同笑)。 GM まあ足音は冗談ですが(笑)、宿の扉が開いたと思ったら、入り口から物凄い体格の女が入ってきた、というのが見えます。 フィール な、なんだ!? GM ……とフィールが驚いてその人物をよく見ると、しかし実は女性にしては大柄とはいえ、フィールより小柄な女性であることがわかります。 フィール い、いまのは……? GM 「ふうん。このあたしが剣の館に泊まってるっていうのに、あんたはいいところに泊まってるのねえ。」 クロウ 「は、はあ……」 アズール ……あのクロウが、借りてきた猫みたいになってるぞ、フィール。 フィール …………実に珍しいものを見たな……。 GM 「あんたがクロウの仲間かい?」 ギロリ。 フィール こ、怖ぇっ!?(笑) クロウ とりあえず事情を説明しよう。かくかくしかじか。 フィール うむ、説明された。しかしまさかここでアインツェルか……! アズール まずは貧民街だな。 GM 「じゃあいこうか。あんたらも付いて来てくれるんだろう?」 フィール 「ええ。クロウが行くなら是非もありません。お付き合いしますよ、フリーダ殿。」 GM 「ふうん……」 フリーダはフィールを見ると、どん! と背中を叩いて小さくつぶやく。「クロウは、才能をひけらかすところがあるけど、ああみえてナイーブな娘だから。フォローしてあげてね。」 フィール 「大丈夫ですよ。彼女は、俺と違って強い心の持ち主です。」 GM 「……ふん。じゃあ行くわよ。」
GM さて、君たちは貧民街にやってきました。周辺は薄暗く、空気が湿って澱んでいます。港町として大規模に発たちしたトレンテは、その絢爛な町並みから、周辺諸国の評価も高い。ですが、目前に広がっている光景は、その絢爛たる光が生み出している影の部分といえます。 フィール どこにでも、こういう場所はあるもんだな。 アズール ともあれ、聞き込みでフェルディナントを探そう。目立つ格好だ、すぐにわかるだろう。 GM 聞き込みをするなら、大きな剣を持った男が貧民街の奥にある古びた教会跡に入っていったのを見た、という情報が手に入ります。 クロウ すぐに向かいます。 GM その教会跡に移動すると、教会跡の内部から人の気配がします。誰かいるようですね。 クロウ ……いるのね。 GM 君たちが特にアクションを取らなければ、フリーダはそのまま教会跡に入っていきますが? クロウ とめる理由はない、かな。 フィール そうだな。相手がアインツェルであれフェルディナントであれその両方であれ、もともと不意を討つようなつもりはないからな。 GM 「じゃあいくわよ。」 どがーん!! パール とびらをあけておどりこんだ! フィール せめてドアあけろよ!(笑) クロウ し、ししょー……(笑) GM 「ふん、もろいドアね。」 ……というわけで。教会跡に入ると、正面の祭壇の前に一人の人物が座っており、その横にもう一人小さな人影がある。合計二人だ。……そして、その人物は───フェルディナントでは、ない。 一同 いきなり大当たりだっ!? フィール 最悪なほうじゃねえか! アズール ……GM、知名度判定は必要ですか? GM したいならしてもいいよ。知名度2だけど。 一同 で、ですよねー!(笑) パール 賞金ごまんごーるどのひとだ(笑) クロウ アインツェル……! GM 君たちの前にいる人物は、紛れもなく"魔剣士"アインツェルだ。ただ、その隣にいる小柄な少女には見覚えはない。恐らく付き人かなにかだろう。 アズール 間違いなくアインツェル……か。 GM しかし君たちが聞いていたアインツェルとは印象が全く違う。顔色は死人のようで、身体は痩せ細っている。 フィール ……うん? GM 「……フリーダか。」しかし、その目は非常に鋭く、ギロリと君たちをねめつける。 フィール 「……フリーダ殿?」一応、本当にアインツェルか確認をしておこう。 GM 「……間違い、ないわ。」フリーダもまさかいきなり仇敵と出会うとは思っていなかったらしく、狼狽を隠せないようだ。 アズール さすがに、なあ……。 パール 「あれー? フェルディナントお兄ちゃんはいないのー?」 クロウ パールちゃん空気読んで!?(一同笑) GM そのパールの台詞に、アインツェルはゆっくりと答える。「フェルディナントに用があったのか? 奴ならもうおらんよ。ついさっき、仲間とでかけたからな。恐らくもう戻ってはくるまい。」 クロウ 「仲間? 仲間がいるの?」 GM 「そのようだな。頭の悪そうな連中だったが……」 フィール 「……どこへ行ったか、わかりませんか?」 GM 「さあな。この街で仕事をすませたらすぐに出立すると言っていたからな。今頃港にいっているかもしれんな。」 フィール なんだと? アズール 「お前は、ここで何をしているんだ?」 GM 「私か? 私は、弟子がロスマンドで調達してくれた霊薬を飲んで養生していたところだ……ごほっごほっ!!」彼はここで大きく咳き込み、喀血する。 フィール 病気、なのか……? GM 「……ふん。まあ、飲んだところで助かるわけでもないがな。」 クロウ ええと…………師匠? 本当にこいつと決闘するの? GM 「ええ。そうよ。」 クロウ ……でもそれ、アンフェアなんじゃ……? フィール …………ほんとか? ああいう連中って、たいてい死にかけてても「今でも一分だけなら全盛期の動きができる!」とか言い出すぞ?(笑) アズール このゲームの1ラウンドって1秒〜10秒で任意に決めていい、だからな。1分あったら楽勝で人殺せるな(笑)。 GM 確かに、アインツェルは病魔に冒されてますが、フィールのいうとおり1分程度なら現役の動きができそうな感じではありますね。闘気は衰えていないのが分かります。 クロウ むう……。 GM 「……で? 俺はほうっておいても余命一年ってところだが……フリーダが俺と決闘するのか? それともお前たち全員で俺を殺すのか?」 クロウ そりゃあ、もちろん─── GM ───というわけで、君たちは決闘を見届けてもいいし、全員で殴りかかってもよい。 一同 言うと思ったよ!(一同笑)。 フィール ちなみに、知名度判定に成功してるなら敵のレベルくらいわかりますよね? GM ええ。10レベルです。 フィール 10レベルと戦闘とかないわー(一同笑)。 クロウ そもそも、見届け人になるって約束したし。 パール そうだねえ。 アズール ………………。 GM 君たちが何も言わないなら、フリーダがゆっくりと前に出ます。「アインツェル。我が師の仇を、いまここに───」 アズール 「───ちょっと、待ってくれ。」すいません。そこで二人の間に割って入ります。 一同 おお!? GM 「何をする。止める気か!」 アズール 俺は、自分自身割り切れてない、物凄い苦い顔をしながら───「ええ。止めます。」 GM 「何故だ! お前には関係のない話のはずだ!」 アズール 「ええ。確かに貴女方の因縁は噂でしか知りません。……しかし。仇を討ったところで、討った者は救われないということを、俺は誰よりもよく知っています。」 GM 「…………!」 アズール 「彼を見ればわかるはずです。彼はもう長くありません。非常に勝手な言い分だということは理解しています。でも、やはり俺は止めざるをえません。」 GM 「…………」 アズール 「確かに、仇を討った貴女は幸せかもしれません。───しかし。それは同時に、貴女がアインツェルの仇になる、ということを意味するはずです。」 GM フリーダはそれを聞くと、ピクリと表情を動かして───アインツェルの傍にじっと寄り添っている少女を見る。 アズール 「俺は、かつて自分の養父の仇であるワーグナという男を殺しました。しかしそれは、同時にワーグナの仇として追われても仕方がないということです。……貴女は、その覚悟がありますか?」 GM 「……わ、私は……」フリーダは何かを言いかけますが、しかし結局言葉が続かず───結局、静かに剣を収めます。「ふん……一丁前のことを言うじゃないか、子供のくせに。」 アズール 「…………ありがとうございます。」 GM そのやりとりを見ていたアインツェルは、「……どうやら、お前たちは道義を知る人間のようだな。」と咳き込みながらも話し出します。「俺はお前たちを斬るように依頼されていたが……それはやめておくことにしよう。」 アズール 依頼……だと!? 俺たちを? クロウ 一体だれから? フィール そりゃあ〈神聖教会〉だろうよ。どう見ても「お前は知りすぎた」フラグじゃねえか(一同笑) GM 「別に構わんさ、教えてやろう。依頼をしてきたのは昔の知り合いだ…………名を、グロムハイトと言う。」 一同 グロムハイトだと!? GM 「奴は俺を斬りに来たらしいが……この姿を見て"手負いの獅子は怖い"と抜かしてな、金貨袋を置いてお前らが来たら斬れと言われたよ。」 アズール なにを企んでやがる、あの野郎……。 GM 「グロムハイトは、どうやらうちの弟子と何かしら悪巧みをしておるようだな。」 フィール なんだと? フェルディナントとグロムハイトが!? GM 「ふん……まあ弟子の方は簡単に人を信用するタマではないからな、心配しておらんが。ワーグナも斬られたというし、恐らく聖堂騎士どもは……グスタフの遺産について知る者を秘密裏に始末するつもりなのだろう……。」 フィール 情報隠蔽? 十年前の事件なのに、なぜいまさら? GM 「そりゃあ決まってるだろう。いまになって、奴らはグスタフの遺産を独り占めにしたくなったのさ。」 フィール 遺産…………ね。 アズール 嫌な予感しかしねぇ(苦笑)。 GM 「ならば、昔の秘密を知る者……たとえば、あの魔法士殺しの女も危ないやも知れんな?」 アズール そ……それが冒頭のマスターシーンか! GM 「お前がアズールだろう? なあに、案ずるな。ルクレツァは腕が立つゆえ、不意でも討たねば倒せまいよ。そして、あいつは不意を討てるような女でもない……。」 アズール ぬうう……。 GM 「……他に、なにか聞きたいことはあるか?」 フィール 「ずいぶんといろいろ教えてくれるんだな。俺たちは、弟子の敵になるかもしれないんだぞ?」 GM 「……なに、グロムハイトの馬鹿の手の平で踊らされるのが気に食わんというだけの話だ。それに……その程度で目的が果たせないような弟子を育てた覚えもない。」 アズール 「じゃあ……貴方が知っている、十年前の事件の顛末を教えてください。」 GM 「事件というのは……グスタフ=ヘイゲンとエイスン=エイブラハムのあの事件のことか。」 アズール 「はい。」 GM 「いいだろう。これから死ぬ人間が持っていても仕方のない情報だ。」 アズール よかった、この人話が分かる人だ(笑)。 GM というわけで、以下がアインツェルから聞けた情報を教えますが……その前に、フリーダをうまく説得したということで[竜魂]をひとつ獲得してください。 一同 おお!? GM フリーダの説得はシナリオで想定していなかったのですが、うまく説得できたということで。これは[竜魂]を渡してもいいでしょう。 フィール おお。お手柄だな、アズール。 GM ええ。間違いなく今回のMVPですね。……あのまま決闘していたら、フリーダ負けてましたから。 一同 負けてたのかよっ!?(笑) GM アインツェル、【看破】でしかかわせない100点ダメージの必殺技とか持ってますからねー。決闘始まった瞬間、一閃で勝負が決まってました。 アズール よ、よかった戦闘しなくて……!!(笑) GM では、アインツェルからの情報を開示します。ちなみにアインツェルは当時〈魔導連盟〉に雇われた魔法士殺しだったため、〈魔導連盟〉側の視点でかなり詳細な情報を持っています。
フィール その辺は、枢機卿から聞いた話とだいたい同じだな。 アズール うむ。その辺は知っている。
アズール す、凄まじいな十大魔法士の塔……。 クロウ でも、計画書に問題があったのね。 GM ええ。致命的な問題がありました。
一同 ドゴールだと!? フィール ここでそんな懐かしい名前が出てくるのかよ!(笑) GM ええ。あの馬鹿息子をぶん殴っていた親父さんです(笑)。ちなみに禁呪についてはすでに説明したとおり。 クロウ ううう、よくわからなくなってきた……。 GM ちょっと情報量が多いですからねー。とりあえず重要な点としては、「グスタフは〈虹色に輝く竜鱗〉を創るために深淵の塔を造り、その中に〈伝説の竜神器〉を安置している」という部分です。 フィール で、フェルディナントが持っている魔導書に、深淵の塔がある場所が書かれている、と。 GM そうですね。 クロウ でも、フェルには魔導書は読めないのよね? GM 読めませんね。なんせ神聖語で書かれてますから。 パール つまり、魔導書を読んで〈竜神器〉を手に入れるには、神聖語を読める人に読んでもらわないといけないってことだよね。 GM そうですね。ちなみに皆さんご存知のとおり、この街には神聖語を読める方が絶賛滞在中ですね。 パール ……フェルお兄ちゃん、"ひと仕事してから街を出る"って言ったんだよね? GM 言いましたね。ええ。 一同 コーネリアがやべええええ!(笑) フィール いやフェルディナントがコーネリア狙うのは展開上プレイヤーにはわかっていたが! クロウ 予想より展開はやいっ!(笑)。 アズール しかもグロムハイトが関わってるってことは……黒幕は〈剣の枢機卿〉なのか? GM さて、それを聞いた君たちはどうするね? クロウ コーネリアは、いま〈神聖教会〉にいるんだよね? GM そうですね。〈神聖教会〉で保護されています。 フィール ん? となると、コーネリアを襲うには〈神聖教会〉を襲撃する必要があるが……できるのか? そんなこと。 アズール 枢機卿が黒幕なら、コーネリアを別の場所に移動するという名目で警護の手薄な場所に移動させることも可能じゃないか? フィール いやしかし、それでもアーレス人が襲われたとなると〈神聖教会〉の大不祥事だぞ? GM そうですね。万が一そんなことがあったら、この街の教会の権威も、枢機卿の立場も完全に崩れるでしょうね。少なくとも表沙汰にはできないでしょう。 パール んんんん〜? クロウ あたまがこんがらがってきた! フィール とりあえず〈神聖教会〉に向かうか。 クロウ でも、フェルは私たちが来る前にここを出発してるんでしょ? もうすでに教会を襲撃してるかも…… アズール だとしたら、逃げられる前に港を封鎖したほうがいいかもしれんな。 フィール うーん。そうだなあ……じゃあ、まずは港に向かって、港を封鎖してもらおう。最悪、すでに教会が襲撃されていても、それで逃げ道を塞げる。 GM 教会には向かわないんだね? フィール 先に港だ。コーネリアがフェルディナントに誘拐されても、神聖語が読めるのがコーネリアだけである以上、深淵の塔が見つかるまで殺されない可能性が高い。教会に向かって入れ違いになるより、まず港を押さえてから教会に向かおう。 GM 他の皆さんもそれでいいですか? パール リーダーが港っていうなら、港でいいよ。 アズール 異論ない。 クロウ 構わないわ。 GM では、港ということで───そして、その選択肢は正解です。 フィール ほう? GM 君たちが港に向かう途中でのこと。港に近い街の方向から"カンカンカン"という警鐘の音が鳴り響き。その方向から火の手が見えます。 アズール なんだと!? クロウ 火事? この急いでるときに!? GM その火の手を見た皆さんは、【知性】15の判定を行ってください。 アズール (ダイスを振る)成功だ。 GM なら、アズールはこの火災が普通のものではなく、火計による戦術的な手段による出火であることがわかります。 アズール くそが……!! クロウ この混乱に乗じて逃げる、というわけね……。 GM というわけで。君たちは街の住人を助けるために街に向かっても良いし、このまま港に向かっても良い。 一同 言うと思ったよこの野郎っ!?(笑) GM ちなみに、街の至る場所で起こる火事を消火し、さらに人々を完全に救うためには、【体力】【敏捷】【知性】【幸運】でそれぞれ達成値15を出す必要があります。これらの判定を誰が受け持つかは、君たちが相談して決定してください。なお、この判定に失敗してもペナルティはありませんが、1回成功するごとに、[竜魂]を1つ得られます。 一同 じゅ、じゅうご!? フィール 【幸運】はパールに任せるとして……【体力】はクロウしかいないから、【敏捷】は俺が受け持つしかないのか? アズール ま、【知性】は俺だろうしなあ。 GM もちろん、人々を無視して港に行くという選択肢も…… 一同 ねえよ!! フィール 知らないならともかく、見ちまったらそうもいかねえよくそ! GM ……ごめんやでえ。俺、絶対みんながそう言うと思ってこのシナリオ書いてんねん(一同笑)。 フィール このシナリオ作った奴は絶対性格悪いと思うんだ!? アズール それ、毎回いってるじゃねえか!(笑) クロウ ……で、みんな成功しそうなの? 私は竜脈使えばファンブル以外失敗しないけど。 パール あたしもー。 アズール 俺もまあ大丈夫だな。 フィール ……俺はやばいな。なんせ【敏捷】が8しかない。 クロウ それだけあったら、竜脈使えば余裕じゃない? フィール 俺の竜脈は1と2しかないんだよ!(一同笑) GM さ、さすが救世者&世界使い……(笑) アズール ま、まあなんだ。……がんばれ? しかし判定の結果、全員が判定に成功します。 GM はい、では報酬の[竜魂]4個ですよー。 フィール こ、このための[竜魂]所持上限の変更か……。 GM (いい笑顔で)いやあ、皆さんいいひとですねー。 フィール くっそいい笑顔しやがって!?(笑) アズール はたしてこのイベントで、どれだけのアドバンテージをフェルディナントに与えたのか……(笑)。 GM 君たちに助けてもらった住民たちは、ひたすら君たちに感謝します。「おお、ありがとうございます〈竜脈使い〉様!」 フィール 感謝はいい、とにかく安全なところに逃げるんだ! GM そうやって君たちが一通り消火などを終えた頃、君たちの前に早馬がやってきます。 パール 馬? だれだろう? GM やってきたのは、コーネリアを教会に送り届けたときに挨拶した、教会の高司祭ですね。……ちょっと血まみれになってますけど。 アズール げげー!(笑) GM 「〈竜脈使い〉どの! ……コ、コーネリア様が……」 フィール いや、なにがあったかは9割方予想できるので詳細はいいです(一同笑)。 GM 「わ、私の台詞っ!?」(笑) アズール いいから結論だけ言ってくれ、奴らはどこへ行った? GM 「や、奴らは港の方向……」 フィール それはいいから俺たちが知らない情報はありませんか? クロウ ひ、ひどい(笑)。 GM 「え、ええと………」高司祭はちょっと悩んだ上で(笑) 、「〈神聖教会〉に……裏切り者がいます……!」 フィール (笑顔で)繰り返しますが、俺の知らない情報をください。 GM 「ううぬ……ではこの情報ならどうです。とっておきの情報でずぞ。」 フィール ほう。 GM 「裏切り者は……なんと、あのバスティアンなのだ!」 フィール いいから俺の知らない情報をよこせよ!?(一同爆笑) パール ま、まあほら。予想が確定情報に変わったってのは大きいよ? アズール まあそうだが……しかし新しい情報はなにもないな(笑)。 フィール バスティアンの下で動いてるグロムハイトがフェルディナントと組んでる状態で、〈神聖教会〉の庇護下にあるVIPがあっさり襲撃された……どう考えても怪しいのはバスティアン一派だしなあ……まあいい。ともあれ港に向かおう。 パール んー……でも、アインツェルって人が言ってた頭悪そうな仲間ってのは誰のことなんだろ? クロウ グロムハイトのことなんじゃないの? グロムハイトの馬鹿って言い方してたし。 アズール なに、行ってみればわかるさ。いま港に行って、フェルディナントと一緒にいる奴らを倒せばいい。簡単な話だ。 フィール ……まあ、確かにそうなんだが……しっかし、今回は昔に出てきたキャラクター勢ぞろいだな。 GM なんたってキャンペーン最終回直前だからね! クロウ まさかシャルル王子が再登場するとは(笑)。 フィール しかもその親父が設定的に関わってるとは……。 GM はっはっは。……シナリオ作るの、超しんどかったわー(一同笑)。 パール がんばりすぎだよ、ますたー!(笑) アズール つか、あと出てきてないNPCって、例のキャラがブレまくりの誰かさんだけって感じだもんな。 フィール あれはいらねえ! パール ほら、ああいうキャラは再登場するとしたら最終決戦の直前だよ! アズール 超いらねえ!!(笑) GM さて、じゃあシーンを港に移しますねー。
GM さて、では今シナリオのクライマックスです! 一同 おー! GM 果たしてコーネリアは無事なのか? そしてコーネリアを襲った賊の正体は何者なのか―― アズール いや、それはもう知ってる(笑)。 GM さいですか(笑)。――君たちが港町に辿り着くと、君たちの予想が的中したことがわかります。通路の向こう側から現れた数人の人影。その中央には縛り上げられたコーネリアを抱きかかえる逞しい若者――レディ・クロウの因縁の人物、剣の王フェルディナントの姿があった。 クロウ やっぱり……! GM 遠目からキミたちの姿に気づいたコーネリアは、「クロウ! パールちゃん! 助けてっ!!」と怯えきった表情で助けを求めます。 クロウ ……いま叫ばなかったらもう少し気づかれずに近づけたかもしれないのに……。 GM え、第一声がそれ!?(一同笑) アズール 正々堂々戦うのが〈剣の王〉じゃなかったのかよ!(笑) クロウ それは戦うときでしょ? コーネリアを助けるときは不意をついたほうがいいに決まってるじゃない。 パール さすがお姉ちゃん、合理的だねー(笑)。 フィール まあ、相手がフェルディナントじゃどのみち不意打ちはできんだろうよ(苦笑)。 GM もちろんフェルディナントはキミたちの姿に気づいて立ち止まります。……が、すぐに興味を失い、いつもの無表情で再び移動を再開しようとします。 クロウ 待ちなさいよ! GM そして。彼の横には、なぜか捕らえられたはずのウルージ、ハイレディン姉妹がいます。 一同 お前らもかよっ!?(笑) GM 彼女たちはフェルディナントの後ろに隠れつつ周囲を伺っています。まるで迷子の子供といった姿ですね。「ああ! ハイレディン。見て、あの時の〈竜脈使い〉どもですわ!」「ほ、本当ですわ! なんでこんなところにいますの!?」 フィール こっちの台詞だよなんでお前らここにいるんだよっ!?(一同笑) GM 「……ふ、ふん! 怒鳴ったところで今はもう怖くありませんわよ!」「そうですわ! わたくしたちには、フェルディナントさまがついてますもの!」 アズール (納得した顔で)ああ……。 クロウ (納得した顔で)馬鹿っぽい仲間……ね……・。 パール ……ねえ、フィールおじさん。 フィール ん、なんだ? パール (笑顔で武器を構えながら)あれ、もっかい捕まえたらまた賞金もらえるのかなあ? アズール ああ、うん。間違いなく報奨金は出ると思うぞ? フィール 脱獄犯だからなー……。 パール (目を輝かせて)ほんと? じゃあやるやるっ!! GM 「殺る殺る」ですねわかります(一同笑)。 クロウ フェルディナントにも賞金かかるんじゃない? フィール 町の放火犯なら、間違いなく賞金首だろうな。 GM そんな話をしている君たちに、フェルディナントは何事もないかのような静かな声で言います。「できれば、このまま見逃してもらえると助かるのだが。」 クロウ そんなわけないでしょう! GM 「金が必要ならいくらか融通できるが?」 クロウ …………ほんっとに、貴方はいろいろ残念な人ね……(一同笑)。 アズール あれ、真面目に言ってるんだろうなあ(苦笑)。 パール お友達を助けるためだから。お金じゃないんだよ? GM 「そうか。なら交換条件だ。この女を返すから俺たちを見逃せ。」 クロウ なんですって? フィール コーネリアにはもう用はない、と? GM 「そうだ。」 フィール ……力づくで取り戻す、といったら? GM 「ならば、押し通ることになる。」と、彼はゆっくりと剣を抜きます。武器がザンゲツに変わっていますね。 パール あ、強くなってる。 クロウ あの剣、高いのに!(笑) パール お金はあるみたいだし、誰かスポンサーがついたのかな? フィール ……コーネリアの安全も大事だが、こいつらを見逃すわけにもな……やるしかない、か? GM そうやって君たちとフェルディナントが睨み合っていると、フェルディナントの背後から声が聞こえます。 フィール む? まだいるのか? GM 「おいおい別に無理して戦う必要はないんだよ、フェルディナント君?」 ――それは、君たちがよく知っており――なんとも言えない、カン高い声だった。 一同 ちょ……おいおいおいおい!? フィール お前かよっ!?(笑) パール ああ、うん。武器買い込んでたもんねえ。 アズール そ、そういうことか……! GM ……パールちゃんは、全部読んでましたねー(笑) パール まあプレイヤーはだいたいわかってました。パールちゃんは気づいてませんけど(笑)。 クロウ この馬鹿王子……!! フィール なるほど、"馬鹿っぽい仲間"、ね(苦笑)。 GM 君たちが声のする方を見ると、フェルディナントたちが乗り込もうとしていた船の穂先の上でクネクネとしたポーズで君たちをドッキャ〜ン! と指さしている。 フィール 落ちてしまえよ! 海に! GM 君たちがそうやってシャルルを睨みつけるとですね。シャルルは「やれやれ。もう笑ってくれないか」と言いながら姿勢を正す。 アズール この野郎……! GM 君たちのほうに向き直ったシャルルの顔からは、いままでのふざけた笑みは完全に消え去っており……その瞳は、フェルディナントのそれに匹敵する空気を纏っている。いままでの彼とは全く雰囲気が違うね。 フィール ……シャルルのくせに生意気だな。 GM 「やあ皆さん。また会ったね?」 もう口調まで完全に変わってますね。 フィール お前、二面性があったら格好いいと思うなよこの野郎(一同笑)。 GM 「別にそういうわけではないのだがね。」シャルルはそう言いながらゆっくりとクロウに向き直る。「レディ・クロウ。優秀なキミに、ボクは以前から1つだけ不満を持っていた点がある。それは……キミは優秀すぎることだ。」 クロウ (さらっと)「仕方ないじゃない。天才なんだから。」 GM 「それは確かにそうだ。……天才ってのは、いつでも面倒臭いものだよなあ?」 クロウ 「そうね。馬鹿と違っていろいろしがらみがあるもの。」 GM 「……人間はね、ある程度愚鈍であるべきだと思うんだ。それが面倒ごとに巻き込まれないコツだと、ボクは思っちゃうわけさ。」 フィール 「だからって愚鈍すぎただろ、お前の仮の姿は。」 GM 「だってそのほうが都合がよかったからね。僕の任務のためには、"愚鈍な放蕩息子"という評価がとても都合がよかった。」 フィール 「……確かに、すっかり騙されていたよ。」 GM 「どうだい、君たちは色々知りたいことがあるだろう? 僕と君たちの仲だ。なんでも教えてあげるよ?」 シャルルは、余裕の笑みを浮かべている。 フィール ち……まさかここで〈竜脈使い〉4人とは、ね。 アズール 知りたいこと……ねえ…… クロウ じゃあ聞くわ。何故コーネリアは用済みなの? GM 「そりゃあ決まってるだろ。禁断の魔導書の内容を聞き出した後だからさ。……俺は殺すように進言したんだがね。フェルディナントは無益な殺生はしないそうだ。」 フィール お前は、〈竜神器〉を手に入れてどうする気だ? GM 「俺は〈竜神器〉なんかに興味はない。俺の目的は〈深淵の塔〉のほうだ。」 フィール では、深淵の塔を手に入れてどうする気だ? GM 「さあね。それは手に入れてから考えるさ。ま、親父はかつて自分が憧れた天才魔導師、グスタフの残した遺産に興味があるらしいがね。我が親父ながら情けないねえ……才能のない魔法士ってのは。」 パール ……い、いままでとのギャップが面白くて仕方ない(笑)。 GM ぐふふふ(笑)。 フィール フェルディナントは、塔を手に入れてどうするんだ? GM 「……俺も、手に入れてから考える。」 フィール お前もかよ! GM 「そういう意味では、彼とは利害が一致したんだよ。」とシャルル。「だから、僕は塔へ至る情報を与えて彼を用心棒として雇ったんだ。……この街にコーネリアがいて、彼女が魔導書を読めると教えたのは、この僕なのさ。」 クロウ この野郎……!! GM 「もちろん、今回の事件を手引きした人物は他にいる。……優秀な君たちなら、誰かわかるだろう?」 フィール …………グロムハイト、か。 GM 「そう、グロムハイトさ。」 ……さて、思い出してほしい。アズールとフィールは、今回どこでグロムハイトと遭遇した? フィール そりゃあ、枢機卿の泊まっている宿…………って。 GM 「そうだ。そして……その宿に僕が泊まっている、と言ったよね?」 アズール …………あ! フィール あれはシャルルとグロムハイトが繋がってるって伏線だったのか! アズール なんでグロムハイトがあの宿にいるのかと思ってたら……! GM ええ、そういうことです。 パール え? 気づいてなかったの? 同じ宿に泊まってるって情報、えらく簡単に流してるなーって思ったら(笑)。 クロウ そういえばそうねえ……(笑)。 GM パールのプレイヤーは気づいてましたねえ。 パール うん。でもパールちゃんはその情報知らないし(笑)。 フィール 目の前のことでいっぱいいっぱいで全然考えてなかったよ! そもそもシャルルのこと全く疑ってなかったし!(笑) アズール 俺も枢機卿と自分の過去のことしか気にしてなかったからなあ。 GM 常に自分に直結する行動や選択肢をつきつけられているアズールやフィールより、一歩引いた状態から全体を俯瞰しているパールのほうがそういう伏線に気づきやすいのは道理といえば道理ですけどね。パールちゃん、自分は全然深いところに関わってないのに他人の人生の深いところを覗き見しまくりの超おいしいポジションなんだもの(笑)。 パール うん。あたし、そういうキャラだし(笑)。 クロウ うんそれはすごくパールちゃんらしいね……。 GM 「僕はね。禁断の魔導書の所有者ワーグナを追うために世界を回っていた。ワーグナはああ見えて勘の鋭い男だ。だからボクは竜脈使いの素性を隠し、世間知らずの旅行者、あるいは遊歴気取りの放蕩者を装う必要があった。人間というのは無能に対しては、ほとんど注視しないものだからね。……なあそうだろう? フィール(不気味に微笑む)」 フィール 「……ああ。まったくその通りだよ、シャルル……!」 GM さて、ここで皆さんは【看破】15の判定を行なってください。 クロウ 15!? 無理だけど[竜脈]回ししておこう(笑)。 パール (ダイスを振る)成功だよー。 GM ならパールちゃんはシャルルがフィールに視線を向けた時、一瞬だけシャルルが別の方向に視線を向けたことに気づきます。 パール うん? GM 「――ま、その後は君たちの知っているとおりだ。ワグナーは君たちの手によって倒された。だが……禁断の魔道書は奪われた。そこでボクは禁断の魔道書の新たな所有者――フェルディナントと接触し、今度はその魔道書を解読するために、アーレス人のお嬢さんを失敬していたというわけさ。」 クロウ なるほど、ね。 GM 「そして、その内容を知った今、もうここには用はない。あとは彼と一緒に深淵の塔へ向かうだけさ」 アズール 「……させると、思うのか?」と武器を構えます。 GM ではシャルルは、杖を構えたアズールを見て、にやりと笑う。「ああ、あとひとつ大事なことを言わなければならないんだ。」 アズール なんだと? GM 「これだけの事件を起こしたわけだから……誰かが責任を負わないといけない。その方が、ボクの協力者にとって都合がいいらしいんだよ。で……いったい誰に罪なすりつけるつもりか、優秀なキミたちなら、もう分かるだろう?」 フィール ……貴様…………!? GM 「そういう意味では、君たちはボクの想像以上に名声と実力を持っていて、ボクやボクの協力者にとって、知っていて欲しくない秘密を知りすぎているというわけさ。」 クロウ この、卑怯者! GM 「……さて、ボクの話はここで終わりだ。もう準備は整った。残念だけど、君たちの人生はここで終わりだ。君たちがどれだけ強くとも――――ボクの協力者である1000人の聖堂騎士団を倒すことはできないだろうからね!!」 一同 ちょっ!?(笑) GM シャルルがそう言い終えるや否や――君たちがいる場所の背後から、"ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……"という重い足音と、金属をすり合わせる不気味な音が波のように迫ってくる! フィール せ、聖堂騎士団が相手だとは思っていたが……。 アズール 1000人全員が相手なのかよっ!? GM その通り! このシナリオ、結局のところどう転んでも真実はひとつだったのです。――つまり、"みんなグルだった"。 一同 ひでえええええ!?(爆笑) クロウ 【聖堂騎士団の一部の派閥が裏切って離反してるだけだと思ってたのに……(笑) アズール どの連中が敵でどの連中が味方とかそんな次元の問題じゃなかった! フィール このシナリオ作った奴は絶対性格悪いわくそ!(笑) GM (笑顔で)どのくらい性格が悪いと思う? フィール (笑顔で)一言で言おう。しねばいいのに。 GM (満面の笑顔で)ありがとう。最高の褒め言葉だ(一同爆笑) 念の為に断っておきますが、これらは気の知れた友人同士だからこそ笑って許される暴言です。 コンベンション等で気軽に使うと、相手を深く傷つける可能性があるので気をつけて下さい。
シャルルの言う協力者とは――聖堂騎士団だった。 "聖遺物"の探索を目的としている聖堂騎士団にとって、最高の"聖遺物"である〈竜神器〉の在り処だけを目的とするシャルルは、まさに願ってもいない共謀の相手であろう。 アズールたちに迫りくる千人の聖堂騎士団の先頭には――――当然、無紋聖堂騎士団の総長バスティアンの姿があった。 GM と、いうわけで君たちの前には〈無紋聖堂騎士団〉引き入るトレンテの聖堂騎士団千人が勢揃いです。 フィール ん、ちょっと待てGM。その中にブレアはいるのか? GM ええ。当然騎士団の中にブレアとその部下たちも混じっています……が、君たちの姿を見て非常に驚いた顔を見せます。 フィール ……まあ当然事実は知らされていない、か。さてどうしたものかな。 GM 一応、状況を整理しておきましょうか。
GM 簡単に言うとこれだけですね。 フィール まあ、状況はだいたいわかったが……しかし実際問題、千人と殴りあうわけにもいかんしなあ……。 パール あたしたち、団体様相手にするのすごく苦手なパーティだもんね(笑)。 GM さて。 バスティアンはキミたちを見るや否や、あの時に見せた獰猛な笑みを浮かべ、高らかに叫ぶ――「神聖なるトレンテに火を放つとは……おお、なんと罪深きものたちだ!」と叫ぶ。 一同 やっぱりそうくるかー! GM 君たちは冒頭で遭遇したペリーテの少女を思い出しますね。……これが、彼らのやり口です。そしてそんな彼らを尻目に、フェルディナントたちは用意していた船に乗り込もうとします。 クロウ あ、待て! GM クロウがそう叫ぶと同時、フェルディナントに担がれて船に連れ込まれそうになったコーネリアが「嫌よ! 離せっ!!」と大暴れを始めます。……ここで【看破】10の判定をどうぞ。 パール (ダイスを振る)当然、成功だよ。 GM なら、いま彼らを攻撃したら、コーネリアを救い出せるかもしれない、と思った。コーネリアは怪我くらいするかもしれませんが。 クロウ 当然、それは攻撃する! GM ただし、[射撃攻撃]か[魔法攻撃]で、目標値18が必要だ。 クロウ ……射撃攻撃ってなに?(笑) フィール 専門家のアズールにお任せするしか無いな。 アズール いやしかし、いま俺《レイスフォーム》用に[竜脈]調整してるから、達成値の調整が全然できんぞ? GM 【命中】が高いクロウがレッドボムを投げる、という手もありますよ。 クロウ ああ、そうか。あれ射撃攻撃か! アズール ならクロウのほうがいいだろう。能力的にもキャラクター関係的にも。 クロウ じゃあ、私がボムを投げる。 (ダイスを振る)22! GM では、ボムは見事にフェルディナントに向かって飛んでいきますが、命中する寸前にフェルディナントが反射的にボムを剣で叩き落とします。……当然、抱えていたコーネリアが放り出されます(笑)。 フィール それは俺が受け止めておこう。 GM 「あ……あああありがとう!」 と君にしがみつくコーネリア。ごく近くで人が殺されるのを見て、相当ショックを受けているみたいですね。 フィール 怪我はなさそうだな。とりあえず俺たちの後ろに下がっておけ。 GM では、コーネリアを助けたということで[竜魂]をあげよう。 フィール それは助かる。よし、なんとかしてずらかるぞ(笑)。 GMすると、「おいおい。ここまできて逃げだそうってのかよ?」と、これまた聞き慣れた声がバスティアンのすぐ後ろから聞こえてくる。 フィール 「ふん……そんなくだらん挑発に乗るほど馬鹿ではない。」 GM 「グロムハイト。彼らが今回の事件の犯人さ。じゃあ、あとはよろしく頼むよ!」とシャルルは船を出港させようとします。 アズール くそ、むざむざ逃げられるのか……! パール いやー、そんなことより、ここをどうやって逃げ出すか考えたほうがいいと思うよ? フィール そうなんだよなあ……さて、どうするか GM そうやって君たちが聖堂騎士団に囲まれ始めた頃。聖堂騎士団から声があがります。「待ってください! 納得できません!!」 一同 おお! フィール ブレア!? GM そう。叫んだのはブレアです。「その方々はそんなことをする人ではありません! これはなにかの陰謀です!」 フィール 「馬鹿、黙れブレア! 自分の立場を考えろ!」 GM 「いいえ黙りません! 兄さんたちは、街の人々を火災から守ってくれたんでしょう!? ここへ来るまでに聞きました。街に火を放った本人が、救出活動なんてするわけがありません! これは狂言です!」 フィール ブレア……。 GM ブレアがそう叫ぶとですね。騎士団の背後から、「そうだ! その通りだ!」という叫び声が聞こえてきます。 クロウ え? GM その叫びをあげたのは――君たちに命を救われた、トレンテの住人たちです。 一同 おお!? GM 「そうだ! 俺たちはその人たちに助けられた!」「俺も見たぞ! 彼が街の火を消して回ってくれたんだ!」「うちの子供も、あの女の人に助けられたのよ!」「彼らが犯人なんてありえない!!」口々と君たちの無実を主張し、騎士団に罵声をあびせかける街の住民たち。その声に、騎士団員たちも驚きの表情を浮かべる。 クロウ み、みんな……! GM そしてそれに呼応するように、ブレアの部下たちも叫び始める。「そうだ……彼らは近海の悪魔バルバロッサたちを捕らえた!」「そのおかげで、たくさんの領民たちが安心して海に行けるようになった!」「それだけじゃない! 彼らはブラッドティアーの霧を晴らしてくれた!」「そうだ! そんな彼らを犯罪者として捕らえるなんてできるわけがない!」「我々はブレア副長の言葉を信じるぞ!」「そうだ!俺たちは……英雄たちを守るために副長についてゆくぞ!」声とともに――ブレアの部下たちが。人数にして150人の聖堂騎士が、バスティアンの元を離反します。 一同 おおおおおおっ!? GM それを見たバスティアンが、狂ったような表情で絶叫します。「こぉのクズどもがあ! 教会の任をなんと心得るか!! 殺せ……この愚かな離反者たちもろとも、罪人たちを皆殺しにしろ! 早くしろっ、異端審問にかけられたいのか!!」 フィール ……やれやれ。狂信者の本性がでてきたな。 GM そのバスティアンの怒号に恐れおののいた残りの騎士団は、君たちに特攻を開始します。 アズール ち……やるしかない、か! GM しかし、ブレア隊や街の住民たちが騎士団の突進をある程度抑えてくれます。 一同 おお! GM ルール的に状況を説明しましょう。敵はバスティアンとグロムハイト。そしてオリジナルクリッター「聖堂騎士団×5」が170グループ(一同笑)。 フィール わけのわからねえ数字が聞こえた!(笑) GM しかし、ブレアたちの妨害のお陰で、戦闘マップには2グループずつしか登場しません。 クロウ ありがとうブレア! パール 街の人たち、助けててよかったねえ(笑)。 GM いやー、大義のために非情な選択をするかなあ、とも思ってたですけどねえ。 フィール 正直考えなかったわけでもないんだがな。やはり性に合わんことはできんよ(苦笑)。 GM ちなみにもし街を見捨ててた場合、「私の兄がそんなことを」「うるさい死ねよどしゅっ」「ぎゃー!」という展開でした(一同笑) フィール 非情な選択しなくてほんとよかった!!(笑)。 GM あと、港に潜行させておいたタイラントシップも、援護砲撃の能力を駆使して君たちを支援してくれます。 クロウ おお。 フィール ……おまえ、実はかなり献身的なクリッターだよな……今度しっかりメンテナンスしてやるからな!。 GM ただし。ブレアやタイラントシップの支援を持ってしても、騎士団を押しとどめていられるのは長くて7ターンです。そのつもりでいてください。 フィール それだけあれば、十分だ。 アズール そもそも俺らが7ターンも持たねえしな(苦笑)。 GM ちなみにフェルディナントたちはその間に出港してしまいますが…… フィール この際それはどうでもいい。まずはブレアを助けることが先決だ。 GM 「兄さん! 私のことはいいから早く船をっ!!」 フィール いいから黙って待ってろいま助けるから! アズール それを見捨てられるなら最初から街を見捨ててるわ! ていうかわかってて言ってるだろお前!(笑) GM 「だってシナリオにそう書いてあるんだもの仕方ないじゃない兄さん!」 フィール だからいらんこと言わなけりゃいいシーンで終わるんだから黙っとけよ!? (一同爆笑) GM 「別にいまの部分はリプレイに書かなくていいのよ兄さん。でも書くんでしょうね智志さんなら」(一同笑) フィール いいからもう黙るんだ、ブレア(笑)。 パール わかってて言ってるのはブレアっていうかますたーだよねー。 GM ごめんやでえ。そのつもりでシナリオ作ってるんやんでえ(一同笑)
GM では、戦闘だ! フィール まずは識別判定だな。 GM グロムハイトが討滅士だ、というのはわかってますね。彼は白々しく「やれやれ。こうなったら仕方ねぇよなあ。聖堂騎士として戦わないとよ?」といいながら、ドラゴンバスターを構えます。 アズール こいつも武器が強化されてやがる(苦笑) フィール ま、そうだろうよ。バスティアンの[称号]はわかるか? GM それでは、判定をどうぞ。 判定の結果、敵のデータが判明します。 敵のデータは【こちら】のリンクから御覧ください(新しいウインドウが開きます)。 GM 聖堂騎士団×5は今回のシナリオ用のオリジナルクリッターです。といっても、〈秘儀〉を持たない以外は騎士団×5と同じデータですけどね。 フィール げ。バスティアン、魔法葬者A/魔導戦士Bだと? アズール 《スペルディストーション》と《スペルバインド》か。うわ怖ぇ! GM ぐふふ。どうだ。強いじゃろ? アズール しかも[結界]15で《エーテルシールド》でさらに[結界]12!? 攻撃魔法ほぼ通らねえじゃねえか! パール 《霊子砲》なら結界無視できるよ? フィール そうだな。どうせこいつには接敵できないだろうし、アズールの《霊子砲》が頼りだな…………ん? 《魔法連撃》に《ダブルキャスト》……? GM おや。気づかれましたか。 フィール てことはこいつ、3回攻撃してくるのか!? GM (しれっと)いえ。《ファストスペル》もあるので最大4回攻撃です。 一同 うっぜえええぇ!?(一同笑) フィール データの組み方が性格悪いよ!(笑) GM (超笑顔で)さあ、戦闘を始めようか?
GM では、[タイミング:開始]です。なにかすることはありますか? クロウ あたしはないなあ。 アズール 俺は当然《ハイパーエリクサー》だ。 GM (ニヤリと笑って)ほう。使ったね? アズール ん? ……あ! しまった!? GM アズールの《ハイパーエリクサー》に合わせて《ファストスペル》だ! アズール しまった、それがあったんだ! クロウ なにそれ? GM 《ファストスペル》は、対象が《タレント》を使用した際に使用できる《タレント》で、[戦闘地帯]にいる1体に対して即座に魔法武器で攻撃を行える《タレント》です。 アズール しまった、忘れてた……! GM いまさら後悔してももう遅い!。 アズールに魔法攻撃だ。 フィール ま、これはどうせいつかはくらう攻撃だ。仕方あるまい。 GM (ダイスを振る)アズールに34魔法ダメージ。 アズール 軽減して22ダメージか。いきなり【生命力】が半減した……! GM (笑顔で)じゃ、《魔法連撃》しますね? 一同 で、ですよねー! GM む、しかしアズールには射程が届かないな。仕方ない、《ライトニングピラー》でクロウとパールに攻撃だ。 この攻撃で二人に30点のダメージ。 いきなり3人の【生命力】が半減したことになります。 フィール ちっ、これはまずいな。《聖者の右手》+《奇跡の右手》で皆を回復―― GM 「おっと。そうはさせねえよ。」そこでグロムハイトが《奇跡の右手》を《スペルブレイク》! フィール なにっ!? そ、それはまずい! クロウ え? なんなの? GM 《スペルブレイク》なので、フィールの回復そのものが[自動失敗]しますね。 クロウ えっ!? パール 《スペルブレイク》を《法則解除》しとく? フィール さすがにここで回復しとかないときつくないか? パール そのあとの攻撃そのものを《法則解除》するって手もあるけど。 フィール でもあいつ、《魔法連撃》あるから《ダブルキャスト》打ち消しても最低2回攻撃してくるんだぜ? アズール 全快させてから3回攻撃を受けるか、このままの【生命力】で2回攻撃を受けるか、か。 クロウ な、んで1ターン目からこんなに悩ましいのよ!(笑) GM ぐふふ。いいじゃないか。昨今のTRPGで悩むことなんてそんなにないんだから。じっくり悩みなさい。 フィール ぐぬぬぬぬ……! 一行はさんざん悩んだ末、ここは《法則解除》を温存、回復を諦めることにします。 パールは[タイミング:準備]で移動、[タイミング:攻撃]でリーフで【生命力】を回復。騎士団に接敵し、敵の足止めを狙います。 そして次はクロウの手番。あえて回復はせず、移動してグロムハイトに接敵。強者の大剣+《剛剣》で範囲攻撃をしかけます。 クロウ (ダイスを振る)命中は……21! GM ぎゃー、グロムハイトに命中した! やっぱり【体力】に割り振ったツケがきたか……!。 パール 命中とダメージ重視に作ってたのね(笑)。 GM だって《バーサーカーブレイク》当てないといけないもの……騎士団は言わずもがなです。 クロウ ダメージは46点。《空間を断つ》で50点。 GM ぐはっ!? しかしバスティアンが[タイミング:防御]で攻撃を食らった3体全員に《プロテクション》! フィール くっそ、これだからコストを消費しないNPCは!(笑) クロウ でも、初期配置の関係でバスティアンが範囲に入らないのよね……。 アズール そうなんだよな。バスティアンが地味に騎士団から1マス離れて配置されてるせいで範囲に入らない上に、《霊子砲》の射程外だからあいつを攻撃する方法がないんだよ。あいつを倒すには《霊子砲》を当てるしかないってのに…… GM ぐふふ。その辺は当然考慮して初期配置してますよ? こちらが怖いのはアズールの《霊子砲》だけだからね。前衛を騎士団とグロムハイトで固めておけば、そう簡単にバスティアンには接敵できまい。 パール なんとかして早めに前衛を突破しないとジリ貧だね。 クロウ ああもうめんどくさい!(笑) フィール ………………いや、ちょっと待てクロウ。 クロウ ん、なにかしら? フィール いまお前、《剛剣》で攻撃したんだよな? クロウ うん、そうだけど? フィール ……(無言で、クロウに殴られた騎士団のコマを横に1マス移動させる)。 クロウ あっ。 フィール たしか、《剛剣》は攻撃した相手を任意の方向に1マス移動させることができる……だよな? GM …………ぎゃあああしまったっ!? アズール おや? その移動でバスティアンが騎士団と隣接したな。……つまり、近接範囲に入ったな?(笑) GM しまったあああぁ! それすっかり忘れてた!! なんで俺あと1マス遠くに配置せんかったんや! フィール うふふふ。油断したな、GM?(ドヤァ) GM くっそ! フィールしねばいいのに! フィール ありがとう。最高の褒め言葉だ(一同爆笑)。 アズール フィールが珍しく満面のドヤ顔をしておる(笑)。 GM まさかここにきてやりかえされるとは(笑)。くっそしまった、なんか忘れてると思ったら《剛剣》に《スキルバインド》かける予定だったんだ。すっかり忘れてた……!。 アズール さて。では、全員が範囲に入ったところで………… GM (物凄くシリアスな声で)「待て、アズール。話せばわかる。」 アズール 待つわけねえだろっ!?(一同爆笑) もちろん、アズールは迷わず《霊子砲》。 グロムハイトはそれに対してたまらず《致命失敗》を宣言。攻撃は失敗に終わります。 GM くっそ。早々に潜在特性を切らされたか……! フィール ふう。ようやくGMに一矢報いたぜ(笑)。 GM ええい、次はグロムハイトの手番だ。「お嬢ちゃんとは前から手合わせしたいと思っていたんだ。――遊んでくれよっ!!」 クロウ 「いいわ――来なさい!」 ここでグロムハイトが《ダブルアタック》+《バーサーカーブレイク》で攻撃。なんと命中値は27!。 これはさすがに回避のしようがなく、37ダメージを受ける。 これは《十字受け》で凌ぐものの、2撃目でほぼ同じ命中・ダメージを叩きだされ、為す術もなく[気絶]してしまう。 クロウ つ、強い……! GM 「ふん……これが俺様の全力よ。」 フィール なんだあの威力。クロウでなけりゃ一撃目で即死しかねんぞ。 GM さて、次はバスティアンだが。……クロウに[止めを刺す]。 フィール 仕方ない、それは〈致命失敗〉だ。 GM 了解です。ではバスティアンの行動は終了です。さて、次は聖堂騎士団の手番です。 フィール …………う。しまった。ここで騎士団がクロウに[とどめを刺す]を宣言したら、クロウを救う手段がない……! GM いえ。聖堂騎士団はクロウにとどめをささず、パールを攻撃します。 パール あれ? こっちにくるの? いやそれはありがたいんだけど(笑)。 GM ええ。聖堂騎士団は洗脳されてるわけではありませんからね。君たちが街の人々を救出した人間であることは理解しているので、君たちを積極的に殺そうとはしたくないんですよ。とはいえ、命令に従わないと自分が後でひどい目に合うので、とりあえず目の前の敵を攻撃はしますが。 フィール なるほど。もし俺たちが街の住人を見捨ててたら、迷わずとどめを刺されていたわけだ。 GM ええ、そのつもりでした。 アズール ぜ、善行は積んでおくもんだな……。 騎士団2体はそれぞれパールを2回ずつ攻撃。そのうち1回のみ攻撃が命中し、パールは22ダメージを受けます。 そして[タイミング:終了]でパールがクロウを〈生命蘇生〉し、1ターン目が終了します。
GM さて、2ターン目の[タイミング:開始]です。 クロウ な、長い1ターンだったわ……!(笑) GM というわけで。今度は忘れへんでえ。クロウの《剛剣》を《スキルバインド》!!」 パール あ、今度は真っ先にバインドしてきた(笑)。 GM これでダメージも上がらなくなるし、強制移動も消える。これでそう簡単に―― フィール じゃ、それ《領域破壊》でキャンセルな。 GM しまったああああ!?(一同爆笑) フィール いま完全に忘れてただろ、俺の《領域破壊》(笑)。 GM そうだよ忘れてたよ! そんなのあったね!?(笑) パール 珍しくGMがテンパってるね(笑)。 GM うううぅ…………まあいい。他に[タイミング:開始]の行動はある? クロウ あたしは、ここで《龍脈解放》を宣言するわ。 GM お、全力で来る気ですね。 クロウ ええ。ここで決める……! GM では、それで全部ですね? ……では、ここでひとつイベントが発生します。 一同 お? GM バスティアンは、アズールに話しかけます。 アズール え? 俺? GM 「やりますねえ少年」 アズール ふん。なんだいきなり。 GM (ニヤリと笑って)「どうやらあのルクレツァをあらかじめ押さえておいて正解だったようですねえ?」 アズール なんだと!? パール ああ、冒頭のイベントだね? GM 「……なに、あの女は実力的にもやっかいでしたので、動く前に私の部下を1人張り付けておいたのですよ。」 アズール ほう? GM 「どうやら……始末はついたようですねえ?」 とバスティアンが言うな否や――海から援護砲撃を繰り返していたタイラントシップが、爆発を起こす。 フィール タ、タイラントシップー!(笑) GM そして、大ダメージを受けて動きを停止したタイラントシップの上に――ある人物が立っています。 フィール ……何者だ? GM …………まあ、なぜかシナリオには"バスティアンの隣のマスに配置する"って書いてあるんですが……なんでや! フィール 俺が知るかっ!(一同笑) GM ちゃ、ちゃうねんで。《剛剣》のことを忘れてたわけちゃうねんで……? アズール やかましい(笑)。 GM と、とにかく。その人物はバスティアンのそばまでゆっくり歩いてくるわけですが――それは、またもや君たちにとって見覚えのある人物だ。 フィール …………さすがに、もう察しはつくが一応聞いておこう。何者だ? GM そこに現れたのは、君たちがよく見知った女性――ヒルダだ。 フィール やっぱりか……! GM 「始末はついたかヒルダ?」「は……はい。」 アズール そうか……お前か、ヒルダ…… GM 「……ごめんねアズール。教会の命令だから……わたし、逆らえないんだ」と、普段とは違った表情で寂しそうに笑う。 フィール お前も、教会の手先だったというわけか……。 GM 「グズグズするなヒルダ! 拾い育てた私に恩を報いたいのなら、早くこいつらを始末しろ!」「……はい、バスティアン様」 フィール やれやれ。だから、あれほど友達は選べと言ったのに…… アズール まさか本当に、最終決戦前に登場してくるとはな(苦笑)。 GM ヒルダはその顔に悲しそうな、寂しそうな複雑な表情を浮かべつつ……《装具錬金》でアルカナカードを創造する。 アズール 錬金術士か! フィール ……確か、《法則解除》も持ってたな。 GM 「でもね、アズール。」 アズール なんだ? GM 「私の潜在特性は《撃滅攻撃》なの。…………私、どうせあなたの攻撃に耐えられないのに何しに出てきたのかしら?」 一同 知るかぼけえええええっ!!?(爆笑) ……という衝撃の(?)事実と共に戦闘が再開されます。 まずは【行動値】最速のパールの手番。次のクロウのためにレッドボムで敵全体を攻撃します。これは見事に命中し、敵全員を[転倒]させます。 GM いやああぁ! みんなこけちゃった!(笑) パール 「今よ、お姉ちゃん!」 クロウ 任せて。私をここまで虚仮にした代償、いま支払わせて上げるわ! 《複合技》《破剣》《剛剣》を宣言。(ダイスを振る)命中は18! GM ぐ、それは[転倒]してるから避けれない……ではヒルダが《法則解除》を撃ちます。 パール 邪魔はさせないよ! 《法則解除》を《法則解除》! GM ぐっ、 1ターン目で《法則解除》を消費させられなかったのがここで……! アズール さて、ダメージは何点になるんだ? クロウ 《空間を断つ》を全力で加えて……69ダメージ!。 GM ぐふうっ!? (計算して)全員に《プロテクション》をかけて…………な、なんとか凌いだが……(汗)。 クロウ 「ふん――どう? これが、私の全力よ。」 GM 「や、やるじゃねえか姉ちゃん……さっきの一撃を返されたって感じだな……」 残り【生命力】はバスティアン24、騎士団20、グロムハイト27ですね。こ、これはやばい……! フィール ん、ヒルダの残り【生命力】は? GM 7。…………ほんとなんでこいつ出てきたんだろう? フィール しるかよっ!?(笑) アズール さて、じゃあ俺の手番だな? GM いや、待ってください。ここでバスティアンが自分の《プロテクション》に対して《ファストスペル》を宣言します。 フィール あ、その手があったか! GM うふふ、これでアズールを倒せればまだ勝機はある! こちらの【発動】は―――― アズール (ダイスを振る)あ。クリティカル。 GM げぼおっ!?(一同爆笑) フィール 馬鹿め。貴様の悪あがきはアズールに6の目を増やしただけだ(一同笑)。 GM 「ぬおおおぉ…………! まさか今のを外すとは……!!」 パール おじさん、それ完全に負け台詞だよ(笑)。 アズール さて、これで本当に俺の手番だな。――――もちろん、《霊子砲》だ。 GM りょ、了解だ。目標は敵全体でいいね? アズール (少し考えて)――――いや。目標をバスティアン一人に絞る。 GM ほう? アズール 周りの連中は、バスティアンさえ倒せばそれ以上抵抗はしないはずだ。 フィール む。確かにそうかもしれんが……大丈夫か? 仕留め損なうと全員に反撃されるぞ? アズール ……ああ。それでいい。 クロウ ……まあ、アズールがそれでいいなら私はいいけど。 パール うん。あたしも別に構わないよ。 GM ――いいんだね? アズール 構わない。(ダイスを振る)【発動】は22だ。ダメージは54点! GM それは抵抗できない……! バスティアンは自分に《霊子砲》が降り注ぐのを見て、とっさにグロムハイトを見る。「グロムハイト! 《スペルブレイク》を!!」 アズール …………。 GM しかし、グロムハイトは明らかにその声を無視し――《霊子砲》はバスティアンに直撃。彼の[結界]を貫通、バスティアンを貫きます。 一同 おおおおお! GM その一撃で――バスティアンは為す術もなく[気絶]します。 アズール やったか……! フィール …………で、残った連中はどうでる? GM グロムハイトはバスティアンが[気絶]したのを見ると、ニヤリと笑って――ドラゴンバスターを地面に放り投げます。「ああ、やめだやめだ。俺らの負けだ。お前ら、剣を納めろ!」と言いながら周囲の騎士団を宥めます。 アズール ふん……やっぱりな(苦笑)。 GM ――ということで、ここで戦闘が終了です。お疲れ様でした! 一同 あ、危なかった…………!!(嘆息)
GM 「おらおらお前ら、おしまいだ! 副長の命令だぞ!」 グロムハイトが武器を捨ててそう叫ぶと、周囲の騎士団たちもバタバタと武器を落としていきます。その顔には、安堵の表情が浮かんでいますね。 フィール 仲間で同士討ちをやらされてたわけだからなあ。そりゃそうだろうな。 GM 「ま、そういうこった。責任取るヤツが倒れちまったんだし、これ以上殺し合いする必要はないだろう?」 パール ……副長は責任取る立場じゃないのかなあ? GM 「決まってるさ。責任取る奴はそこに転がってるだろ?」 アズール ふん、言いやがる。 GM 「お前、最後の魔法わざと俺をはずしたろう? ああまでされちゃあ俺も《スペルブレイク》するわけには行かねえよなあ。」 フィール やっぱり貴様、運じゃなくて要領がいいだけだな。 GM 「言ったろう? 俺は最後に一番おいしいところを持っていく役なんだよ。」 フィール ……やれやれだ。 GM 「……さあお前ら! 俺の命令だ、とっとと剣をおさめやがれ!」グロムハイトがそう言うと、聖堂騎士たちは肩の荷が下りた表情で一斉に剣を捨てますね。 アズール やっぱり、騎士たちも望んでバスティアンに従っていたわけじゃないんだな。 フィール ブレアは無事か? GM 「だ、大丈夫です兄さん。」 ブレアは肩をおさえながらも無事立っていますね。 フィール そうか。よかった……。 GM ひと通り戦闘が終わると、グロムハイトがとぼけた口調でこう言います。「やれやれ……どうやら街の放火とコーネリア様の誘拐は、うちのバスティアンが独断でやったことのようだ。この責任はこの男を副長の俺が断罪することで取ることにしよう。……な、アズール。お前もそういうことでいいだろ? な?」(笑) アズール 「まあ、それですむならこちらも異論ないよ(苦笑)」 フィール うっわ、こいつ殴りてぇ(一同笑)。 GM 「まあそういうなフィール。考えても見ろ。お前らは、このトレンテの聖堂騎士団850人を倒したことになるんだぜ?」 フィール 「ふん。それがいったい何になるというんだ。無駄な戦いをしただけだろう。」 GM 「なんだ、俺の言ってることがわからないのか?」 フィール 「だから、この無駄な流血がいったい何になると――」 GM 「決まってるだろう? ……こいつら、全部で経験点850点になるんだぜ?」 アズール そこかよ!(一同笑) GM 「それにシナリオ達成100点+ボーナス経験点500点。さらに住民を全て助けたボーナス50点で、合計なんと1500点。……お前ら、一気に10レベルになるんだぜ?」 一同 む、無茶苦茶だ――――!?(爆笑) パール え、もしかしてそのために聖堂騎士団1000人も出したのっ!?(笑) アズール 次がキャンペーン最終話だからって無茶しすぎでしょっ!?(笑) GM 「なあに、そのくらいの偉業を達成したってことだ。胸張っていいぜ?」 フィール …………はっ。偉業だっていうんなら、当然それに見合うだけの報奨金も出るんだろうな? GM 「当然だ。」グロムハイトはニヤリと笑って……「そこは、〈無紋聖堂騎士団〉新総長グロムハイトが保証しよう。」 アズール やっぱりお前が一番おいしいんじゃねえか!(一同笑) フィール ふん。結局狂った総長は"事故"で死んだってわけか。 GM 「いやあ、お前らが俺を殺すって可能性もあったからな。最後までわからなかったぜ? まあともあれ、俺はこれでシャルルどもとは手を切る。これから先は共闘といこうぜ。」 フィール お前の目的はこの地位だったってわけか。 GM 「〈竜神器〉の探索はバスティアンに言われてやってたことだからな。俺は興味ねえよ――おら、バスティアンとっとと起きろやゴラァっ!」ごすっ! ドカッ!(一同笑) クロウ ひ、ひどい(笑) GM 「じゃあ俺はこいつ連れて帰って後始末するからよ。現場の始末はブレアに一任するから、あとよろしくな。またどっかで会おうぜ。」 アズール ああ、まあそれで構わんよ。 GM では、グロムハイトはバスティアンを連行して騎士団ともども引き上げていきます。 フィール とりあえずグロムハイトのことはもういいとして……おいヒルダ、そこへなおれ(一同笑) GM 「ううう、ご、ごめんなさい……」 アズール いいからルクレツァのことを話せ! ルクレツァはどうなった? GM 「ルクレツァは……生きてるわ。」 フィール ほう? GM 「本当は殺せって言われてたんだけど……殺せなかった。いまはパルメラの自宅にかくまってるわ。」 アズール そうか。無事、か……。 フィール 結局、こいつは〈神聖教会〉の人間だったのか? GM 背景を説明するとですね。ヒルダは 〈無紋聖堂騎士団〉の間諜です。十年前に総長と共にエイスン=エイブラハム討伐に参加していましたが、その時にはルクレツァと面識はありませんでした。その後、教会の命令で十年前の事件に関わったルクレツァを監視すべく、魔導連盟の魔法士と名乗って彼女に近づいていたわけです。 クロウ なるほどね。 GM 「わたし、殺せなかった。任務だと思ってルクレツァやアズールと一緒にいたけど、みんな優しかったから……どれだけわがまましても、子供みたいに振舞っても、やっぱり優しかったから……だから……」と、ヒルダはいままで見せたことのない表情で涙を流します。 フィール ふん。情が沸かないように、わざと嫌われるような言動をしてたってわけか。 GM ええ。でもどんだけいらんことをしても、ルクレツァもアズールも本気で怒るでもなしに彼女と付き合っていましたから。ヒルダも殺すに殺せなくなったんでしょう。……フィールは本気で怒ってた気がするけど(一同笑)。 アズール ま、騒がしくはあったが親戚の姉さんみたいなもんだからな。 フィール ……アズールは心が広いなあと思いつつ黙っている(一同笑)。 GM ちなみに、ヒルダが2話の最後に君たちが〈召喚状〉を発行されていたにも関わらず"この依頼は断ってもいい"みたいなことを言ってたのは、実は〈召喚状〉を忘れていたわけではなく、君たちを巻き込みたくなかったからなんですよ。 パール そ、そんな伏線が(笑)。 GM ええ。それが、徹底して正体を隠していた彼女の、唯一の伏線でした。 フィール 普段の言動が馬鹿すぎて気にしたこともなかったわ(笑)
GM さて、エンディングです。君たちはトレンテを炎上させようとし、コーネリアを誘拐しようとした真犯人を無事捕らえることかできました。 アズール うむ。 パール 今回はさすがに大変だったね……(笑)。 クロウ というか、一気にいろんな人の名前が出てきて、正直よくわからなくなってきてるんだけど……。 GM 大丈夫です。きっとリプレイ書いてる人がわかりやすく相関図を書いてくれるはずです。 フィール あ、丸投げしましたねいま。いや、正直俺も混乱してきたので書きますけど(笑)。
GM ということで、君たちはもう完全にこの街の英雄です。 クロウ ま、当然よね。私がここまで頑張ったんだもの。 GM ええ、もちろんです。……ということで皆さんの知名度がさらに2下がります。 一同 いやああっ!?(笑) フィール もう、どこへいっても俺らの能力筒抜けだな……。 GM ま、10レベルですからねえ。正真正銘、有名人ですよ。 クロウ も、もうこれ以上知名度下がらないんだけど(笑) パール きっと、お姉ちゃんの噂は物凄い尾ひれがついてるんだよ。聖堂騎士団を1人で全滅させたとか。 GM 「レディ・クロウVS聖堂騎士団1万人!」とか(一同笑) パール 各地でレディ・クロウごっこが大ブーム(笑)。 クロウ い、嫌すぎるわね……。 GM ――――で。さて、今後の君たちの方針ですが。 フィール ……それなんだよな。フェルディナントを追いかけないといけないんだが……いかんせん〈深淵の塔〉の場所がわからんから追いかけようがない。 GM すると、コーネリアが言います、「それなら大丈夫よ。私、あの本の内容、全部覚えてるから。」 クロウ ぜ、全部? GM 「ええ。」彼女はアーレス人の特殊能力で、読んだ書物を一言一句全て完全に記憶できるんです。 フィール な、なんという写真記憶……! GM コーネリアは地図を取り出し、「魔導書に書かれていた〈深淵の塔〉の位置は……ここよ。」と地図の一点を指し示します。そこは、「天魔の森」と呼ばれる森です。「この森に広がる〈魔境〉の中心……〈深淵の塔〉はそこにあるわ。」 フィール そこは、ここからはかなり遠いんじゃないか? GM 距離はありますが、タイラントシップがあればすぐですよ。タイラントシップは普通の船の数倍の速度が出ますから。 クロウ ああ、あったねそんなの(笑)。 アズール しかし、その前にルクレツァに会いたいんだが……。 GM 大丈夫です。ルクレツァのいるパルメラは天魔の森へいく行き道にありますから。 フィール ……なら、決まりだな。まずはパルメラに向かい、そのまま天魔の森へ向かおう。 クロウ そうね。異論はないわ。 パール うん。そうしよっか。 GM そうすると、ヒルダが心配そうにアズールに話しかけます。「アズール……伝説の〈竜神器〉を探しにいくの?」 アズール 結果的には、そうなるな。 GM 「あのね……あたし、グスタフ=ヘイゲンの討伐に参加したんだけど……ふと思ったことがあるの。」 アズール なんだ? GM 「それって…………本当に〈竜神器〉なのかな?」 フィール なに? GM 「あの時のグスタフ……なんだか、普通じゃなかったの。」 アズール ……なんだと? フィール それは……どういう意味だ? GM 「さあ、そこまでは私にはわからないんだけど……なんだか嫌な予感がするの。」 アズール 嫌な予感、か。 GM ………………というところで、次回に続く! 一同 そこで終わるんかい!(笑) ――というわけで、怒涛の展開だった第4話。 謎の大半が解け、なんと1519点の経験点を獲得、全員が10LV(!)に到達。 さらに街を救った報酬として全員で50,000Gを受け取り、装備的にも急激なパワーアップを期待できる状況になりました。 しかし最後の敵は〈竜脈使い〉4人と、いままでにない強敵な上、一番重要な〈竜神器〉の謎が残ったまま。 はたして、一行はフェルディナント&シャルルの陰謀を阻止できるのか? 〈深淵の塔〉と〈竜神器〉の謎は解けるのか? 次回、最終回をお楽しみください! |